お知らせ
気仙沼②大島・民宿みかみ「”明日にかける橋”コンサート」
- 2019.4.18
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気仙沼と大島を結ぶ鶴亀大橋が、2019年4月7日に開通しました。これまで通勤、通学、それに救急搬送の際にも、またあの震災でも、船に頼るしかなかった大島の方々にとって、どれだけ待ち望んでいた橋だったことでしょうか。今回は、その鶴亀大橋を渡って、大島の民宿みかみさん伺いました。ギターが大好きな民宿みかみの御主人・三上さんからのリクエストもあり、出演はヴァイオリンの駒込綾さん、ギターの小関佳宏さんのお二人です。
「鶴亀大橋開通記念“明日にかける橋”コンサート」と題したコンサートでしたが、夕暮れの美しい開演前、実は思わぬ事態に。これまでの2回の訪問では、ご近所の方をはじめ、いつも会場はお客さまでいっぱいだったのですが、この日は、開演直前になっても、わずか数人のお客様…!橋のなかった時には、船の時間が決まっていましたが、橋が掛かった今はもちろんその時間を気にする必要はなく…。家族の送り迎えや趣味の集まり、買い物など、それぞれの生活が自由になったことが、このような形でも表れてくるとは、正直予想していませんでした。…とはいえ、そこは元々人と人のつながりの濃い地域。三上さんからの、開演直前の電話でのラブ・コールに応えて、次第に人が増えていきました。
「この日に合わせて咲かせておいたから!」と舞台の後ろでは、桜の枝が花を咲かせています。ここでも小関さんの独奏で「夜桜お七」が映えました。また、今回初めて演奏されたのは、ヴァイオリンの駒込さんが作曲したオリジナル曲「足音」。クラシックの演奏家にとって「作曲をする」「自分で作曲した曲を演奏する」ということは、とても勇気のいることです。「そしてまた、綾さんの人柄が、とってもこの曲に出ているんですよね」と小関さん。うんうん、と頷く客席のみなさん。この日、お手伝いくださったご近所の女性には、打上げで「あの『足音』っていう曲が一番よかった!」とも。駒込さんにとっても、この大島でのコンサートは、起きな挑戦、そして始まりの日でもあったのだなと思いました。今日のメインは、タイトルにも付けたサイモン&ガーファンクル「明日にかける橋」を。三上さんからのリクエストでした。つい先ほど渡ってきた鶴亀大橋からの景色、そして橋が架かるまでの、みなさんの御苦労を想像し、心に届くものがありました。
この日は、大島ばかりでなく、岩手・住田や気仙沼から聴きに来てくださった方も。橋ができたことで、どんどん生活や人の流れが、変わっていくのでしょうね。「宿泊するお客さんが減って、日帰りで海に来て、帰ってしまう人が増えるんじゃないかと、みんなで予想しているところで、これからが心配」とも、三上さん。音楽大好きなご主人と、新鮮で、本当においしい海の幸が待っていますよ。ぜひ、みなさん大島へ、足を運んでみてください!