お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_8月

2020.8.19

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

お盆が終わっても30℃超えの暑さが続いています。今日も朝から強い日差しが降り注いでいましたが、たくさんのメンバーが練習に参加してくれました。講師の齋藤翠さん、目々澤亜紀さんも笑顔でやって来て、メンバーと挨拶を交わしていました。
毎年お盆の後に行う練習会では「親戚が集まって忙しかった~」といった苦労話がちらほら聞こえてくるのですが、今年は様子が違います。大勢のお客さんを迎えることもなく、厳しい暑さを避けておうちでゆっくり過ごした方が多かったようですね。とはいえ連日の暑さに、みなさん少々お疲れ気味の様子。こまめな水分補給を心がけ、体調に気を配りながら練習するよう翠さんからお話がありました。

最初は正しい音で歌うので精一杯だったメンバーも、練習を重ねるうちに音程以外のことに意識を向ける余裕が出てきました。あくびの喉を忘れない、子音の発音は控えめに・・・何度も指導されてきたことが、知識ではなく体の感覚として身についてきたようで、声の響きがずいぶん美しくなってきました。発声練習でメンバーの声の響き方を確認した翠さんは、次のステップとして「その曲のイメージを伝えられるような歌い方ができるようにしましょう」と話しました。
そのためにまず歌詞を朗読し、詩が描く情景を思い浮かべ、その情景を聴いている人にもイメージしてもらうにはどんな歌い方をすればいいか、それぞれが意識しながら歌の練習を始めました。具体的に”こう歌いましょう”という指示はなかったのですが、その合唱にはただ正確な音程で歌っているだけではない抑揚が生まれていました。伝えたいイメージをしっかりと持った歌声を聴き終えた翠さんからも「今までの練習でいちばんよかったです!」と拍手をもらい、メンバーは自分たちの成長に少し自信を持ったようでした。

とはいえ、細かい部分ではまだまだ改善するべきところが残っています。奥歯を緩めて歌って声に伸びを出す、下あごではなく上あごに乗せて歌う、高い音は喉ではなく、体全体を使って出す・・・1つがうまくいくと新しい課題が出てきます。それを楽譜に書き留め、繰り返し練習して体で覚えることで、少しずつでも着実に前に進んでいます。
何をするにも不便なことが増えてしまったこの頃ですが、そんな中でもみんなで声を合わせ、一緒に成長していける場があるのはとてもすばらしいことだと感じました。10月に予定しているコンサートでよりよい合唱ができるよう、みんなで頑張っていきましょう!