お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_8月
- 2020.8.21
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仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌い、
おいしいコーヒーとおしゃべりを楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)仙台市は今日も茹だるような暑さですが、うたカフェに参加する皆さんは汗を拭いながら集会所に集まってくれました。常連さんのお一人に「暑い中ありがとうございます」と声をかけると、「楽しみにしてるからね」と答えてくれました。
先月から再開したうたカフェですが、感染拡大防止の観点から「喫茶ひこ」の西垣信彦さんがいれてくれる薫り高いコーヒーの提供をストップしています。その代わりに配っているのが、西垣さんが自家焙煎した豆を使ったドリップバック。西垣さんは新しく沸かしたお湯で淹れること、アイスコーヒーとして飲むならいつもより少ないお湯で淹れて氷で割ること、とお家でおいしいコーヒーを飲むコツを教えてくれました。さらにコーヒーには利尿作用があるので、特に夏場はコーヒーとは別に水分補給もしっかりする必要があるそうです。みなさんなるほど、と頷きながら耳を傾けていました。
さて、西垣さんのコーヒー講座が終わったところでうたカフェを始めます。今日も音楽リーダーを務めるのは、仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノは富樫範子さんです。
まずは『ねこふんじゃった』と『ひらいたひらいた』の2曲に合わせて体を動かしました。リズムに合わせて踵を上げ下げしたり、腕を伸ばしながら体をねじったりと簡単な動きばかりですが、筋肉がほぐれて体が軽くなったような気がします。暑いとついつい冷房がきいた部屋でじっとしてしまいがちですが、ときどき軽い運動をして血流を良くすることも大事ですね。ついでに、と『ねこふんじゃった』を歌ってみたのですが、フルコーラスで歌うとずいぶん長い曲でした。楽譜を読めなくてもピアノで弾ける、という人も多い曲ですが、歌詞をあまり知らないという人も多かったようで、「こんな歌詞だったんだ」と歌詞カードをじっくり読んでいました。
歌の時間に入る前に、富樫さんが1曲演奏してくれました。曲は”特別な夏”となった今年の夏に思いを寄せて『夏の思い出』です。歌で聴くのと、ピアノの演奏で聴くのは少し印象が違ったかもしれませんが、日の光に輝く穏やかな水辺を思わせるそのメロディが、夏の午後に心地よく響きました。続いてはみんなで歌うコーナーです。
最初の曲は『みかんの花咲く丘』。8分の6拍子のこの曲は、大きく2拍子をとるように歌ってみましょうと岩瀬さんからアドバイスがありました。その言葉にならって、体をゆったりと左右に揺らしながら歌っている人が何人かいました。みなさんとっても良い声で歌ってくれたので、1番を女性、2番を男声、そして3番を全員でと、男女に分かれての歌唱にも挑戦してみました。本日参加してくれた男性は西垣さんを入れても3人だけでしたが、この男声コーラスがこれまた素敵でした!
続けて歌った『花火』では、曲の合間に「たまやー!」「かぎやー!」とおなじみの合いの手を入れてみました。歌と歌の間のわずかなタイミングなので、みなさん歌ったり叫んだりと四苦八苦。合いの手のタイミングを逃さないよう注意するあまり肝心の歌のほうがおろそかになって岩瀬さんから「かけ声で頭をいっぱいにしないで!」と言われてしまい、どっと笑いが起きました。
最後はガラリと雰囲気を変えて、『ふたりの愛ランド』でした。航空会社のCMソングとして流れていた曲で、♪夏 夏 夏 夏 ココ夏~で始まるサビの部分は知っている人も多かったです。でも他の部分は知らないな~という参加者に、松本さんは「何となく音を追いかけてもらえればいいです」「音程はどうでもいいので元気よく歌いましょう!」と実に寛大なお言葉をくださいました。ついには「分からない人は踊ってください!」発言まで飛び出して、知らない曲に戸惑っていた参加者も大笑い。松本さんのパワーに引っぱられ、手拍子や合いの手を入れて盛り上げながらフルコーラスを歌い切りました。小休止を挟んでミニコンサートの時間です。
まずは岩瀬さんが『アイノカタチ』を歌ってくれました。岩瀬さんが「何度も”大好きだよ”と言われたことが、おうちに帰ってからも心に残っていればいいなと思います」とお話してくれたように、歌詞には何度も「大好きだよ」という言葉が出てきます。明るいメロディにのって真っ直ぐに伝えられる愛情に、胸がぽかぽかしてくるような曲でした。
続いて松本さんが歌ってくれたのは、石川啄木の詩に曲をつけた『初恋』でした。松本さんは幼い頃、当時80歳だったテノール歌手奥田良三さんが歌ったのを聴いて、この曲が大好きになったそうです。
砂山の砂に 砂にはらばい 初恋のいたみを 遠くおもい出ずる日
とても短い曲ですが、一度きりしかない初恋が叶わなかった切なさがひしひしと伝わってきます。みなさん最後の余韻までじっくりと味わってから、大きな拍手を贈りました。さらにアンコールを受けた松本さんが、「外国の曲ですが、歌詞の共通点から連想しました」と歌ってくれたのは『砂に書いたラブレター』。砂山で初恋の痛みを思い出す、砂に恋文を書く・・・国は違えど、普遍的に共有する感性のようなものがあるのでしょうか。思わぬモチーフの一致に、みなさんへぇ~と興味深い様子でした。そんなわけで、今日のうたカフェも楽しく幕を閉じました。次回の開催は9月18日、少しは暑さがやわらいでいることを祈るばかりです。みなさんとにかく体調に気を付けて、来月も元気にお会いしましょう!