お知らせ
田子西第二「歌う♪こだまの会」9月
- 2020.9.15
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復興センターでは、仙台市宮城野区の田子西第二市営住宅で
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。二カ月ぶりの開催となった歌う♪こだまの会。前回の再開に合わせて町内会のみなさんが作ってくれた飛沫防止カーテンがリニューアルされていました。仕切りのビニールの透明度がアップし、お互いの顔がみやすくなっていたのです。他にもパーツに色を塗ったり木材で高さを調整したり、色んな工夫がしてあってとても使いやすくなっていました。会場にやってきた仙台オペラ協会のソプラノ大河原真歩さん、ピアノの稲垣達也さんもおニューのカーテンに感激した様子でした。
今回も座席数を制限して開催したこだまの会は満員御礼。みなさん時間より前に集会所にやって来て、スタートを今か今かと待っていました。町内会長さんから「こんなときだからこそ、深い呼吸をして元気に歌って、免疫を高めていきましょう」と挨拶があり、みなさん大きく頷いていました。歌うことは心身の健康にも良いとされていますので、今日も元気に歌っていきましょう!
マスクをしたままでいると、マスクで見えない部分の顔の筋肉をあまり動かさずに過ごしてしまいがちです。大河原さんは唇と大げさに動かして「い・え・あ・お・う」と発声することで、意識して唇と表情筋を動かすよう呼び掛けました。また、大きなアメを口にふくんでいるように口内の空間を広くあけることで、喉を疲れさせずに歌うことができることも教わりました。歌うという行為は全身を使います。しっかり準備してから始めると無理なく楽しむことができますね。本日最初の曲は「赤とんぼ」。この曲を意識して、大河原さんと稲垣さんはそれぞれ赤色の衣装を選んだそうです。みんなで歌う前に、大河原さんから「やゆよ」の発音についてアドバイスがありました。
【ゆうやけ】【やまの】【よめに】など、歌い出しをはっきり発音するには<イ>の口の形を作ってから<ユ>を発音するといいそうです。「₍ぃ)ゆうや~け こやけ~の」というイメージで、最初に小さいイを言うつもりでユと発音するとのこと。言葉だけでは首を傾げていた参加者も、実際にやってみるとその違いをしっかりと感じていました。何気なく口ずさむことも多い童謡も、ちょっとしたコツを意識して歌うとぐっとクオリティが上がりますね。
2曲目に歌った『糸』はリクエストがあった曲です。大河原さんにとっても思い出深い曲だそうで、歌詞を読むだけでもこみあげてくるものがあるそうです。誰か会うことが気軽にできなくなってしまった今、人と人が出会うことの幸せを歌うこの曲の歌詞がよりいっそう味わい深いものに感じられます。大河原さんのお手本に続いた参加者のみなさんの歌声にも思いがこもっているようでした。ミニコンサートで最初に登場したのは『365日の紙飛行機』。稲垣さんがピアノの音をギターの音色に変えたことで、曲の雰囲気がポップスからフォークソングへがらりと変化しました。その演奏に合わせ、AKBならぬUKK(うたう・こだまの・かい)の大河原さんが前向きな歌詞を明るく歌い上げ、秋のさわやかさを感じる素敵な一曲になっていました。
続いては稲垣さんが『海のいのち』を演奏してくれました。この曲は『いのちのうた』という村山由佳さんが描いた絵本の朗読劇で作曲した曲だそうです。母クジラが子クジラに”仲間を呼ぶ歌”を教えながら、先に行ってしまった仲間の群れを追いかけて南極まで一緒に泳いでいく物語とのことで、曲を聴いていると海中の光景やその中を悠然と泳いでいくクジラの親子の姿がイメージされます。キラキラと光る雫のような音の連なりが静かに終わると、ほぉ~と感嘆の声が上がりました。
締めくくりの曲は『七つの子』でした。復興センターで制作している「おうちで歌おう」シリーズ動画の秋バージョンで大河原さんが歌ってくれた曲です(動画はこちらから。秋バージョンの動画は近日公開予定です)。こちらも親子の姿を歌った曲ですね。優しく、しみじみとした旋律がじんわりと心にしみこんでいくようでした。これから本格化する秋を先取りしたプログラムでお届けした歌う♪こだまの会、無事に終了しました。長かった残暑もようやく終わる兆しが見え始め、芸術の秋がやって来ます。さわやかな秋の空の下、気持ちよく歌って元気に過ごしていきましょう。