お知らせ

田子西第二「歌う♪こだまの会」10月

2020.10.20

復興センターでは、仙台市宮城野区の田子西第二市営住宅で
2018年10月から「歌う♪こだまの会」を開催しています。

今日の田子西は気持ちのよい秋晴れ。ひと月前と比べてずいぶんとやわらかくなった日差しの中を、たくさんのとんぼがとびかっています。
集会所の飾りつけも秋仕様で、五線譜の上を飛んでいるとんぼや、まつぼっくりのオーナメントが壁を彩っていました。いつも素敵な飾りつけは住民の方の手作り。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ大河原真歩さんとピアノの稲垣達也さんも、その出来ばえに感心していました。

今日も歌う前にはウォーミングアップを行います。寒くなるにつれて体を動かすことが少なくなって、筋肉も硬くなってしまいがち。今日やってみた体操をおうちでも実践して、健康づくりに役立ててくださいね。
さらにマスク生活ではなかなか動かさない表情についても、目を大きく開けると表情も声も明るくなると教えてもらいました。マスクをしていると表情が見えにくく、不便を感じることもあります。こうした工夫でお互いに気持ちよく暮らせるようになればいいなと思います。

 

 

さて、まずみんなで歌ったのは『いつでも夢を』。前向きな歌詞が素敵な曲です。稲垣さんは東京オリンピック開催の2年前というこの曲の流行当時を振り返り、「まさにこの曲のように、未来に夢を見ている明るい時代だった」と話していました。
もとはデュエットソングなので、音域が広い曲でもあります。特に高い音の出し方について、大河原さんは「小型犬がキャンキャンと鳴くまねをしたときのような、顔の上のほうから声を出すイメージで歌うと出しやすいです」とアドバイス。実際にやってみると、たしかに高い音が自然に出せました。
2曲目には『愛燦燦』を歌いました。美空ひばりさんは朗々と歌っているイメージがありますが、大河原さんはそれとは逆に、サビ以外はがんばりすぎず、あえてお話するようにそっと歌ったほうが曲自体の良さがしみると言います。その言葉のとおり、参加者のみなさんがあえて抑えた歌い方で歌うと、それぞれの人生にそっと寄り添ってくれるようなこの曲のしみじみとした良さをより深く感じることができました。

ミニコンサートの時間には、まずは稲垣さんがソロで『梢のささやき』を披露してくれました。雑木林の光景を思い浮かべて作曲したという稲垣さんの言葉のとおり、雑木林を吹き渡る風に鳴るさやさやとした葉擦れの音や、切れ切れに差し込む木漏れ日を連想させるような穏やかな一曲でした。
続いて大河原さんが、先月のこだまの会で「来月はこの歌を歌います!」と宣言するくらい歌いたかった曲だという『落葉松』を歌ってくれました。「曲が描く光景を、私たち二人でどこまで表現できるか」と言っていた大河原さんの歌う『落葉松』を聴く参加者のみなさんは曲に入り込み、たった8行の詩が描き出すその世界観を存分に楽しんでいたようです。曲が終わり、大きな拍手をもらった大河原さんは「生の音楽でしか伝えられない温度感や湿度といったものを感じてもらえたら嬉しいです」と語りました。
アンコールはこれまた秋にぴったりの『ちいさい秋みつけた』。物悲しさを感じるメロディが秋の午後にしみじみと響きます。マスクの下で一緒に口ずさんでいた方もいたようでした。

 

二カ月連続の開催となった「歌う♪こだまの会」、次回はちょっと空きまして、来年の2月に開催予定です。
寒さが増すにつれ、体調面で心配なことが増えていきます。おうちでも好きな歌を歌って免疫力をつけながら、元気に過ごしていきましょう!