お知らせ
みやぎの「花は咲く」合唱団_12月
- 2020.12.11
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≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や津波被災地域にお住まいの
おおむね60歳以上の方々と毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)あっという間に年の瀬です。練習会も今年最後の回となりました。常任講師の齋藤翠さんの代行として藤原歌劇団所属のバリトン江原実さんを臨時講師に迎え、合唱団メンバーは新鮮な気持ちで練習に臨みました。伴奏は目々澤亜紀さんです。どうぞよろしくお願いします。
ご挨拶代わりにと江原さんは『初恋』を歌ってくださいました。豊かな低音にみなさんうっとりと聴き惚れ、大きな拍手が贈られました。
ウォーミングアップでは脚を回して股関節まわりをほぐし、腕を回して肩胛骨周辺をゆるめたのち、江原さんは一つ面白いメニューを提案しました。「まず人差し指を立てて顔に近づけ、寄り目にしてください」
メンバーはきょとんとしながらもじーっと寄り目で数十秒を過ごしました。続いて、「では、前屈してみてください」との指示がありました。理由はわかりませんが前屈がしやすくなるのだそうです。素直に上体を倒すみなさんからは「あれ??」「わ、ほんとだ!」と驚きの声が上がり、人体の不思議を身をもって実感していました。
発声練習では口を縦に開ける練習を丁寧に行ないました。母音の響きの美しさを決めるのは口腔内の空間の使い方に掛かっています。音程を何度も行き来して口の開け方を確認しました。
日本語の歌は母音のつながりが重要で、フレーズごとのまとまりと滑らかさ、そして音楽を前へ進めるエネルギーがポイントになってきます。みんなで歌詞を音読し、江原さんは作品世界の構成がどうなっているか、起承転結がどう音楽と結びついているかを解説しました。
『夢路より』の三連符について、「どんどん歌わないと、エスカレーターに乗れない人みたいになっちゃいますよ」と説明し、みなさん「あ~」とうなづいていました。
『ゴンドラの唄』では船の櫓を漕ぐように大きな二拍子を感じて歌うのが肝だそうです。高い音になると声を張って大きくしがちなので、音の高さと音の大きさは必ずしも比例しない、むしろ歌詞の表現を優先すると高音を引いて優しく歌う必要があるとのアドバイスがありました。これはなかなか難しいですが、表現の奥行きを出すためにはいずれ越えなければいけないハードルですね。がんばりましょう。
メンバーは初めての代行講師との練習でちょっと緊張していたようですが、新しい発見があったようです。
今年は感染症の影響で歌えない時期もあり、それぞれが歌うことについて改めて考える年だったと思います。こうして笑顔で集い、歌えたことに感謝したいと思います。みなさまどうぞよいお歳をお迎えくださいね。