お知らせ

雄勝「クリスマスコンサート」

2020.12.19

社会人の音楽サークルである雄勝オーリンクオーケストラと、雄勝オーリンクコーラスの、2020年納会として「クリスマスコンサート」が 開催されました。 会場は、この夏から、雄勝オーリンクオーケストラの練習会場となっている、雄勝硯伝統産業会館の研修室です。出演は vn.駒込綾さん、g.小関佳宏さんのお二人です。

もうかれこれ4年ほど、1,2ヶ月に一度、g.小関さんに指導や編曲をお願いしているのが、雄勝オーリンクオーケストラ。オーケストラとは言っても、演奏されているのはいわゆるオーケストラの楽器ではなく、津波の被害が甚大だったここ雄勝で、廃校となった小学校でかつて使われていたアコーディオンや、亡くなられた方から引き継いだ大正琴、中学高校時代にジャズを習っていたフルート、など好きな楽器を持ち寄って集まっています。ゆかいな仲間たちとの、毎回2時間を近いサークル活動も、今年は1,2月と、8,9,10月しか訪問することができませんでした。11月、雄勝の方たちの生活圏内でクラスターが発生して以降 、音楽系だけでなく全てのサークル活動が休止になりました。

そんな中でしたが、これまで何度も共演しているコーラスの皆さんと、ひととき音楽を楽しむ時間を、一年の終わりに持てたら…と、NPO法人雄勝まちづくり協会さんと企画。メンバーとその家族・友人までに限り、申込制とし、スタッフ含め17名が集まりました。

 

2月以降、演奏の機会は激減したものの、その中でも比較的一緒に演奏することが多かったという、駒込さんと小関さん。復興コンサートは久しぶりの出演です。楽曲解説やお話しを交えながら、クライスラー「うるわしきロスマリン」から始まり、小関さん作編曲の「カルメン・ファンタジア」、「G線上のアリア」のほか、駒込さんの作曲による「足音」も。しっとり&ノリノリなクリスマスメドレーや、アンコールの「情熱大陸」は、一緒に歌えない分も、みなさんの手拍子が随分盛り上げてくださいました。またおふたりが作曲された曲は、どちらも人柄の滲み出るような優しい曲。オーリンクオーケストラでも挑戦中で、メンバーみんなが大好きな小関さん作曲「オレンジ」は、曲の終わり、その余韻に、聴いている全員の気持ちが、おだやかにひとつのところに集まっていくのが見えるようでした。

終演後、雄勝まちづくり協会の畑山さんから「今年は、今日のこのコンサートで、今年初めて、生演奏を聴いた方がほとんどだったのでは…?」との問いかけに、あちこちで頷く方がいらっしゃいました。そして「それでは、私たちから感謝を込めて…ありがとうございました!」という畑山さんの声と共に「パン!パン!パパン!」感謝の気持ちです!と、客席から出演者に向けて、突如クラッカーが鳴らされ、びっくり!!!鳴らしてくださったお客さんたちの笑顔に、駒込さんも小関さんもまた、笑顔で送り出されました。

お帰りになるお客様を見送りに出ることは、感染症対策のため控えていましたが、楽器を置いて、着替えに行きかけた駒込さんに、声を掛けてくれた方がいらっしゃいました。溢れるばかりの感謝を伝えられた後で「あなたの音が、とっても(心に)沁みたの…」と言ったきり、言葉に詰まり涙ぐまれてしまい、駒込さんもまたもらい泣き…。短い時間ではありましたが、今年、この状況の中で、今日という日を音楽を通してご一緒できたこと、本当に良かったとしみじみ感じました。

会場に着いてからは、あっと言う間に時間が過ぎてしまいましたが、雄勝のみなさんのあたたかさが何とも心に伝わり、離れがたいお別れでした。また、伺えたときにはもっとたくさんの方に、聴いていただきたいね、と話して会場を後にしました。一年の終わりに、大人のための、クリスマスプレゼントのようなひとときでした。