お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_1月

2021.1.15

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

穏やかな週末となりました。昨日の亘理に引き続き、ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんが音楽リーダーを務めます。連日お疲れさまです。今年最初のうたカフェには15名の参加がありました。感染症対策をしながら、さあ元気に音楽と遊びましょう!

 

本日のプログラムは元気になれる歌を集めました。まずは『さあ太陽を呼んでこい』を歌います。昭和の東京オリンピック前年に作られたこの歌は、いかにも当時の若者らしい溌剌さにあふれています。「みんなの歌声で…素晴らしい朝をつくろうよ」という歌詞はうたカフェにぴったりですね。ちょっと前のめりなリズムで息を吸うのが大変なところもありますが、高度成長期の思い出とあいまって、ちょっとした景気づけになったようです。
続いてはおなじみ『手のひらを太陽に』です。「まちがってもいいから、歌詞カードを見ないで歌いましょう」とリーダーに促され、みなさんは体を左右に揺らし、手拍子や身振り手振りをまじえて朗らかに歌いました。「生きているから歌うんだ」と歌う様子に、今ここで歌えていることの大切さが改めて実感されました。
ここで、イタリアの古曲『Viva la Musica!』の輪唱にチャレンジしました。「ビバ・ラ・ムジカ」という言葉をシンプルなメロディに乗せて繰り返すもので、3組に分かれて歌の追いかけっこを楽しみました。ハーモニーがどんどん増幅していってめくるめく感じがするようでした。これも、仲間がいるからこその楽しみ方ですね。日本語に訳すと「音楽ばんざい!」という意味です。音楽に対する感謝の気持ちがこめられた選曲でした。
最後は平成の大ヒット曲『愛は勝つ』を歌いました。松本さんは「去年、私がくじけていた時に岩瀬さんから励ましをいただいて、また歌えるようになれました。だから、みなさんもくじけないでください」と熱く言いました。みんなでこぶしを高くつき上げてこの歌の締めとしました。

休憩をはさんで、音楽リーダーによるミニコンサートの時間となりました。富樫さんは「まもなく1月17日、阪神淡路大震災の日を迎えます」とご自分の経験を話しました。神戸のご実家が震災で全壊したのだそうです。「自分のふるさとを思い出して、演奏します」と唱歌の『故郷』を弾きました。ピアノ向けにジャズふうにアレンジされ、おしゃれな雰囲気の『故郷』でした。もしかすると、神戸の雰囲気を反映したのかもしれませんね。神戸と東北、お互いのいたみを分かち合うような、静かで親密な空気が漂いました。

 

さて、本日も無事に終了となりました。喫茶ひこのマスター西垣さんが用意してくださったドリップパックのコーヒーをおみやげに、みなさん帰っていきました。またみんなで一緒に心置きなくコーヒーを飲める日が来るといいですね。感染症の流行が気になる昨今、最大限の注意を払い、対策をしながら、この会を続けていきたいと考えています。