お知らせ

荒井東_「音楽サロン」2月

2021.2.16

仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から音楽を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

2018年から、月に一回「うたごえサロン」をお届けしてきた荒井東市営住宅。新型コロナウイルスの影響で会の休止を余儀なくされましたが、町内会の皆さんのご協力を得てこの度再開するはこびとなりました。音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さん、ピアニスト田村聡子さんのお二人も、荒井東の皆さんとの再会を心待ちにしていました。

とはいえ時節柄、大きな声で歌うのに躊躇する方もいらっしゃるかと思い、今回は音楽リーダーによるコンサートをメインにした「音楽サロン」をお届けすることに。悪天候や3日前の大きな地震のこともあり、町内会長さんは「人が来ないかもしれないなぁ」と仰っていましたが、常連さんが8人ほど集まってくれました。今日の音楽サロンを楽しみにしてくれていたようで、到着するなり「待ってたのよ~」と声をかけてくれる方もいらっしゃいました。
そんな皆さんの前に後藤さんと田村さんが登場すると、大きな拍手が起こりました。お互いマスク越し、ビニールカーテン越しではありますが、そのお顔に笑顔が広がっているのはよく分かります。

コンサートメインではありますがせっかくの機会なので、と1曲だけみなさんと歌う曲が用意されていました。美空ひばりさんの『川の流れのように』です。会の始まりを待つ間のおしゃべりで、ある女性が「最近はカラオケにも行けなくて、たまにテレビを見ながら小さい声で歌うくらいでね」とこぼしていたように、皆さんしっかりと声を出して歌うのはずいぶん久しぶりだったはずですが、予想外の声の大きさに音楽リーダーの二人もびっくりしていました。少々キーが高い部分がありましたが、後藤さんの「眉を上げて歌うと高音が出しやすいですよ」というアドバイスに従って歌ってみると、すんなり声が出たようです。「あ、歌えた!」と自分の声の変化に手を叩いて喜ぶ人もいました。

 

さて、ここからはコンサートのお時間です。
まずは「待ち遠しい春メドレー」と題して、『春よ来い』『春の小川』『早春賦』を歌ってくれました。親しみのある曲ばかりなので、みなさんリラックスした様子で静かに耳を傾けたり、マスクの下で小さく口ずさみながら聴いていました。
続いての曲は、田村さんのピアノソロで『匠』。曲名だけだと分からないかもしれませが、「大改造劇的ビフォーアフター」という番組の主題歌です。曲が始まるや、あちこちから「あぁ~」と声が上がりました。何か皆さんになじみのある曲を、と選曲した曲ということですが、作曲者は後藤さん・田村さんと同い年の方だとか。何だか親しみがわいてきますね。
その後は再び後藤さんが登場し、『喝采』や『我が人生に悔いなし』といった名曲を披露してくれました。曲の合間に交わされるおしゃべりでも絶えず笑いがあふれ、とても楽しい時間になりました。
そんな今日の締めくくりは『また会う日まで』。田村さんもコーラスに参加し、曲名と同じ願いを込めて歌ってくれました。

休止前の最後の開催が昨年の2月だったので、今回の音楽サロンは丸1年ぶりの開催となりました。この1年間、不自由なことも多い毎日だったことでしょう。短い時間ではありましたが、今日のひとときが皆さんの心を癒す時間になっていれば嬉しく思います。