お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_2月
- 2021.2.19
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仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)風が冷たい今日は、田子西市営住宅「うたカフェ」の開催日です。集会所にお邪魔すると、立派なおひなさまが飾られていました。鮮やかな調度を見ていると、春の訪れが待ち遠しくなりますね。そんななか、おひなさまとお内裏さまを左右のどちらに置くかという議論が・・・。人形だけでなく、桜橘など小物の配置についても話が広がり、音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノの富樫範子さんの3人も輪に加わっていました。
さてさて、お話がひと段落したところでうたカフェを始めましょう。今日の選曲テーマは「おまじない」。早口言葉のようなおまじないの文句がたくさん出てくるので、頑張って歌いましょう!
まずは日本の魔女っ子アニメの先駆け「魔法使いサリー」の主題歌を歌いました。サリーちゃんの魔法の呪文といえば<マハリクマハリタヤンバラヤンヤンヤン>。音楽に合わせてリズムよく歌うと、意外とすんなり繰り返すことができました。曲中では何度もサリーちゃんの名前を呼ぶので、岩瀬さんは「サリーちゃんじゃなくて、松本さんを呼んでみましょうか」と提案。何と呼ぶか決めようとしたところ、ご本人から「名取から来ているので、ナタリーで」との意見が出たのでそちらを採用。集会所に♪ ナタリ~、ナタリ~、魔法使いナタリ~ と歌声が響きました。ディズニー映画にも不思議なおまじないの言葉がいくつも登場しますね。今日は「シンデレラ」から『ビビディ・バビディ・ブ―』、「メアリー・ポピンズ」から『スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス』の2曲を歌いました。
スーパーカリフラジリスティック(以下略)のほうは、ただ朗読するだけでも舌を噛みそうです。こちらは松本さんと岩瀬さんの歌に合わせて歌えるところだけ歌ってください!と曲がスタートしました。この言葉は、劇中では困難な状況に陥った際でもこれを唱えることで万事解決する呪文として登場しますが、楽曲が有名になると”何と表現していいか分からないほどすばらしい”という意味の形容詞として使われるようになったそうです。2人の陽気な歌声についていこうと一生懸命舌を動かしてこの言葉をくり返していると、何だか自然と楽しい気分になってきました。
リクエストがあった『toi toi toi(トイ トイ トイ)』という曲も歌いました。曲名の<toi toi toi>とは、ドイツ語で幸せを呼ぶおまじないです。NHKの朝の番組で歌われる曲で、ご存知の方も何人かいらっしゃいました。同じメロディのくり返しなので、知らない方もすぐに歌えるようになっていました。歌詞には日常のほんのちいさな良いことがいくつも登場し、「トイトイトイ」というおまじないの可愛らしい響きと相まって、歌っていて元気になってきます。テレビで流れるときはダンスの振り付けもあるそうで、松本さんが歌いながら披露してくれました。ミニコンサートにもディズニーの曲が登場しました。
一番手の松本さんが歌ってくれたのは、「アラジン」に登場するランプの魔神が自分の魅力をアピールする『フレンド・ライク・ミー』。スピード感あふれる曲を見事に歌い上げてくれました。歌う前に「私がオペラ歌手だということを頭の片隅に入れて聴いていただければ・・・」と話していた松本さん。映画ではランプの魔神が様々な声色を使い分けて歌っていましたが、それをしっかり再現していたのはさすがの演技力でした。そんな松本さんによるパワフルな一曲の伴奏を弾き終えた富樫さんは、「私はアラジンの中でも落ち着いた曲を」と『A Whole New World』を弾いてくれました。緩急ある名曲2曲、しっかり堪能させていただきました。
最後は岩瀬さんが『チリビリビン』を歌ってくれました。チリビリビンには特に意味はなく、その音を楽しむ言葉だそうです。たしかに何だか耳に心地いい言葉ですね。明るい恋の歌に、みなさん笑顔で耳を傾けていました。
今日はたくさんのおまじないを唱えたので、何かいいことがありそうですね。
帰りには「喫茶ひこ」のマスター西垣信彦さんからドリップコーヒーのお土産が配られました。おいしいコーヒーでほっとひと息つくのも日常のちいさな幸せの時間です。そうした時間を楽しみながら、毎日元気に過ごしましょう。