お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_7月

2021.7.16

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

本日、東北地方の梅雨明けが発表されました。平年よりだいぶ早いうえ、東海や近畿地方の梅雨明けより先だという珍しいことになったそうです。梅雨が明けたとたんに強い日差しが照りつけ、ちょっと歩くだけで汗が噴き出すような暑さがやってきました。音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さん、同じくソプラノ岩瀬りゅう子さん、ピアノの富樫範子さんのお三方と一緒に、来る夏本番に負けないよう、歌で心も体も元気になりましょう!
ウォーミングアップでは童謡の『かたつむり』の歌詞に合わせた体操をしたり、簡単な脳トレをしました。歌いながらやってみましょうと言われたのですが、手や体を動かすことに集中しすぎて「みなさん歌うことを忘れてますよ!」とツッコミが入りました。

 

本日の歌のプログラムは<映画の世界へ>がテーマです。オープニングとして、松本さんと岩瀬さんによる『ホール・ニュー・ワールド』が披露されました。ディズニー映画「アラジン」の中で、主人公のアラジンとジャスミン王女が魔法のじゅうたんに乗って世界中を旅するシーンで歌われるロマンチックな曲です。「こういう時期じゃなければ抱き合って歌いたいくらいなんですけどね」という松本さん。お客さんや演者同士の距離を気にせず音楽を楽しめる日が、早く来ることを願うばかりです。
引き続きディズニー映画から、今度はみんなで「ピノキオ」より『星に願いを』を歌いました。祈るように歌うみなさんの優しい歌声に、岩瀬さんからも「まぁ素敵」と声が上がりました。

続いての曲は「ティファニーで朝食を」より『ムーンリバー』。トレーナーにジーンズというラフな服装のオードリー・ヘップバーンが、窓辺でギターを弾きながら歌っている映画のシーンは印象的ですが、自分で歌うのは初めてという方も多かったようです。それでも映画の世界観に思いをはせて、三拍子のゆったりとしたメロディを雰囲気たっぷりに歌っていました。
一方、次に歌った『魅惑の宵』が登場する映画「南太平洋」は誰も観たことがなかったようです。もちろん曲も知りませんでしたが、松本さんの指導のもと少しずつ区切って練習していくとちゃんと歌えるようになっていきました。さらに男女に分かれてデュエットにも挑戦!男性参加者はお二人だけでしたが、素敵な歌声を響かせてくれました。
最後に歌ったのは「親父とその子」の主題歌『蒲田行進曲』でした。ここにきて初めて日本の映画が登場しましたが、何とこの曲、原曲はプラハ生まれのルドルフ・フリムルが製作したオペレッタの中の1曲なんだそうです。意外な事実に参加者からは「へぇ~」と声が上がっていました。軽快なリズムにのって楽しく歌い、最後は「ヘイ!!」と声を上げてフィナーレとなりました。

ミニコンサートでは、岩瀬さんがミュージカル「オペラ座の怪人」でヒロインのクリスティーヌが歌う『Think of Me』を歌ってくれました。途中のラウル子爵のパートは松本さんが歌い、いつものソプラノとは印象が全く違う歌声にみなさん驚いていました。
松本さんは「ウエスト・サイド物語」の『Tonight』を歌ってくれました。恋の始まりを確かめ合う前向きな曲を高らかに歌う松本さん、その圧巻の歌声に、参加者からは大きな拍手がわきました。

 

そんなこんなで楽しい時間はあっという間に過ぎ、本日のうたカフェも無事に終了。「喫茶ひこ」の西垣信彦さんが用意してくださったコーヒーをお土産にニコニコと帰っていく参加者のみなさんは、帰り際に「今日も楽しかったです」「来月もきますね」と声をかけてくれました。暑さが厳しい頃だと思いますが、ぜひ足をお運びください。お待ちしています!