お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_9月

2021.9.17

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

日に日に秋の気配が深まる今日この頃。本日も「うたカフェ」で心身ともに元気になりましょう!音楽リーダーは仙台オペラ協会のソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノは富樫範子さんが務めます。

まずは富樫さんと松本さんからウェルカムミュージックのプレゼント。
本日のうたカフェは60~70年代の懐かしい曲がたくさん登場します。そういうテーマなら、と富樫さんが選んだのはビートルズの『ミッシェル』でした。物悲しく繊細なメロディが秋にぴったりですね。自然と体から力が抜けて、ゆったりとした気持ちで音楽に耳を傾けることができました。
続いて松本さんが歌ってくれたのはイタリアの近代曲『嘆きのセレナーデ』。近代曲といっても1800年代に発表された曲とのことですが、「イタリアの音楽の歴史から見れば十分に<近代>ですよね」という松本さんの言葉に納得です。曲名に反して曲調に悲壮感はあまりなく、参加者も優雅なメロディを楽しんでいました。

さてさて、今日のプログラムは盛りだくさん。前半は『およげ!たいやきくん』『魅せられて』『船頭可愛いや』『五匹の子豚とチャールストン』という、曲のテーマもジャンルも様々な4曲を次々に歌っていきました。
『魅せられて』を歌うときには松本さんから「前半は語るように、サビの部分は思いっきり歌ってください!」とアドバイスがありました。さらに「ジュディ・オングになりきって」との言葉にみなさん恥ずかしそうにしていましたが、富樫さんがあの印象的なイントロを弾きだすと気分が盛り上がったのか、とても艶っぽく歌えていました。松本さん曰く「孔雀の羽を広げて逆さにしたような」衣装の振り付けも真似てみました。
『船頭可愛いや』を指導してくれた岩瀬さんは「今だけオペラ歌手をやめていますので」と言って笑いを誘いつつ、随所に出てくる<こぶし>独特の音の上下を体を使ったジェスチャーで表現して分かりやすく教えてくれました。

水分補給と換気を兼ねた休憩タイムをはさんで、後半は『にんげんっていいな』と『また逢う日まで』の2曲を歌いました。
『また逢う日まで』については、町内会長さんが「新入社員の歓迎会で歌わされました」という思い出を教えてくれました。他のみなさんも、きっと色んな場面で歌ったり聴いたりした思い出があるでしょう。この曲を歌うときのポイントは、歌の要所要所で<揺れる心>を表現することだそうです。たしかにこれっきりお別れではなく、「また逢う日まで」と未練を残しているような歌詞には心の<揺れ>が感じられますね。こうしたことを少し意識するだけでも、歌声に深みが増すような気がします。

 

最後は岩瀬さんが『愛されている』という曲を歌ってくれました。星野富弘さんに詩に、なかにしあかねさんが曲をつけたものです。<どんな時にも神様に愛されている そう思っている>というフレーズで始まる歌詞は、どんなときも決して一人ではないと教えてくれるようです。その詩を歌う岩瀬さんの優しく包み込んでくれるような歌声に、安らいだ気持ちになることができました。

 

音楽で気持ちが和んだところで、おうちでもほっとしていただけるようなお土産を。今日も「喫茶ひこ」の西垣信彦さんがドリップパックを用意してくれています。みんなで一緒のコーヒータイムはなかなか再開できませんが、西垣さんのおいしいコーヒーを味わえるこちらのお土産をみなさんニコニコして持ち帰っていきました。
またみんなでおしゃべりしながらコーヒーを飲める日が早く戻ってくることを祈りつつ・・・次回のうたカフェにもぜひ足をお運びくださいね!