お知らせ
荒井東「音楽サロン」_11月
- 2021.11.16
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仙台市若林区にある復興公営住宅である荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から音楽を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)少しずつ寒さが増す今日この頃。11月も半ばを過ぎて、季節は冬に近づいています。音楽リーダーを務めるメゾソプラノ後藤優子さんとピアノの田村聡子さんも、参加者の方と「寒くなってきましたねぇ」と声を掛けあっていました。
まずは体を温めようと、まずはウォーミングアップの体操を行いました。座ったままでもできるくらいの軽い運動でも、しばらくやっていると血行がよくなって体がじんわりとあたたかくなってきますね。
その後は【ハ】の音で発声練習。「お腹から笑うように、ハッハッハッハッハー♪」という後藤さんと一緒に声を出しました。発声が終わると「ハハハって声を出していたら、なんだか嬉しくなってきました」と笑顔を浮かべる人も。思い切り声を出すことは気持ちが晴れ晴れとしますね。さて、本日の歌のコーナーでは『炭坑節』と『リンゴの唄』を歌いました。
『炭坑節』では歌はもちろん、踊りにも挑戦してもらいました。意外と複雑な振り付けだったのですが、参加者のみなさんがさらりと踊りこなしているのを見て、家で練習してきたという後藤さんはびっくり。いつもはゆったりとした様子で参加していた方も大きく手を動かして踊ってくれていました。聞けば、みなさん盆踊りとして踊ったことがあるとか。
「この振りは地面を掘る動きなの」「ここは”後戻り”って練習したね」と色々教えていただきました。
『炭坑節』で体も十分にほぐれたおかげか、続く『リンゴの唄』もみなさん気持ちよさそうに歌っていました。並木路子さんの歌声のように、爽やかな秋晴れの日にぴったりの明るく晴れやかなお声でしたよ。後半は後藤さんと田村さんのミニコンサートの時間です。
最初に歌ったのは『赤とんぼ』と『もみじ』。季節の童謡や唱歌はその時々の風景が目に浮かんでくるような曲ばかりで、移り変わる四季の美しさを感じます。
続いてはリクエストが多かった古賀政男の作品から『影を慕いて』を歌ってくれました。後藤さんが「古賀政男が失恋の悲しみを抱えて宮城県川崎町の青根温泉を訪れていたときに詞の一片が浮かんだ」というエピソードを紹介すると、身近な地名に参加者からへぇ~と声が上がりました。そんな心境の中で作られたということを知ってから聴くと、歌詞やメロディに込められた思いがより一層心に響きます。曲が終わると、田村さんが「青根温泉にはこの曲の歌碑があるんですよ」と教えてくれました。今はちょうど紅葉が見頃でしょうか。一度行ってみたいものですね。続いては田村さんのソロで『峠の我が家』。カウボーイらによってアメリカ中に広まった民謡で、作詞者が暮らしたカンザス州では州歌になっているそうです。ゆったりとしていて伸びやかなメロディが、心と体を自然とリラックスさせてくれました。
再び後藤さんが参加したあとは、歌謡曲から『夜霧よ今夜もありがとう』と『お久しぶりね』を歌ってくれました。参加者は手拍子で参加しながら、最後は後藤さんと一緒に【♪もう一度 もう一度】と声を出して楽しんでいました。
その後「もう一度」に応えたアンコールでは『いい日旅立ち』を歌ってくれました。荒井東市営住宅には谷村新司さんの『群青』の熱烈なファンがいらっしゃいますが、『いい日旅立ち』も谷村新司さんが作詞作曲した曲です。曲名からか、卒業式などで歌われることも多い曲ですが、改めて曲を聴くと決しておめでたい印象の歌ではなく、『群青』に似た雰囲気が感じられます。音楽サロンで何度か後藤さんが歌う『群青』を聴いている参加者は、そのときと同じように息を詰めるように、じっと集中して聴き入っていました。楽しく歌って聴いて、今回の音楽サロンも幕を閉じました。次回の開催は12月21日、もしかすると雪が降っているかもしれませんね。寒くなってくると、お出かけしたり体を動かしたりするのがおっくうになってしまいがち。体力づくりもかねて、月に1度の音楽サロンにぜひ足をお運びください。