お知らせ

亘理「うたのひろば にゃん♪」_11月

2021.11.18

復興センターでは歌のサークルMorino花ccoのみなさんと協力して
宮城県亘理町で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を開催しています。

今年の秋は例年より暖かい日が続いていますね。そうなるとお出かけもしやすくなるのか、今日の「うたのひろば にゃん♪」にはたくさんの方にご参加いただきました。中には常連さんに誘われたというご新規の方や、数カ月ぶりに足を運んでくれた方も。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会ソプラノの岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの阿部恵美子さんと一緒に、みんなで楽しく歌っていきましょう!

会場に到着した岩瀬さんは、何やら大きなケースを抱えていました。参加者用の座席の前にテーブルを設置し、その上に次々に並べたのは何とハンドベル!みんなで演奏しようと持参してくれました。参加者はひとりずつベルを渡され、鳴らし方を練習してから『きよしこの夜』と『夕焼小焼』を演奏しました。
鳴らすのが難しい楽器ではないですが、鳴らし忘れると曲中に空白の時間が生まれてしまうので、みなさん一生懸命というより必死な顔つきでホワイトボードに書かれた楽譜を目で追っていました。「♪ソーラソミー」と歌いながら鳴らす人を指示する岩瀬さん、曲の進行に合わせてホワイトボードを指で示す松本さん、伴奏でリードする阿部さんと、音楽リーダー総出でみなさんの演奏をサポート。とにかく鳴らす回数が多い音の人、曲の終盤にビシッと1回鳴らす音の人など様々でしたが、脳トレも兼ねて楽しく演奏できたようです。

ハンドベルの演奏を終えたら、みんなで歌うコーナーです。
まずは秋らしい3曲を続けて歌いました。最初は旋律が詞のイントネーションに忠実で歌いやすい『まっかな秋』、その次にいかにも日本の童謡らしいさびしげなメロディの『十五夜お月さん』、そして雰囲気をがらりと変えて、『証城寺の狸囃子』を元気に歌いました。緩急のついたプログラムでしたが、みなさん曲に雰囲気に合わせた歌声を響かせていました。
そのあとに歌ったのは『雨降りお月さん』。こちらも先ほどの『十五夜お月さん』と同様、しっとりとしたメロディが心にしみるような曲です。1回通して歌ったところで岩瀬さんから「女性の歌声がとっても風情があったので、もう一回聴かせてください」とリクエストが。馬の背に乗り、ひとり嫁ぎ先に向かう女性の心情に感じるものがあったのでしょうか、岩瀬さんの言う通り、しみじみとした素敵な声で歌ってくれました。

ここで参加者の休憩も兼ねて、松本さんの歌声を聴かせたいただきました。曲は『イル・モンド(限りなき世界)』です。歌う前に「『マイ・ウェイ』のような、私は自分自身の道を進むんだ!といった曲です」と紹介してくれた松本さんの歌声はとても力強く、背中を押されるような気持ちになりました。部屋中に響くようなその歌声に、みなさん圧倒されるように聴き入っていました。

最後にもう一曲、ハンドベルでも演奏した『夕焼小焼』をみんなで歌いました。ベルも上手に演奏できましたが、歌声もまた素敵です!夕方になると公園のスピーカーから流れるこの曲を聴いていたからか、まだ午前中だというのに何だか夕暮れ時の気分になってしまいますね。そんな参加者に岩瀬さんが「最後に1曲歌うので、まだ帰らないでください」と声をかけて笑いを誘いました。
今日の締めくくりに岩瀬さんが歌ってくれたのは『RAIN』という曲でした。どんな困難があっても最後に希望がある、といった内容の歌詞に励まされたという岩瀬さんが、みなさんにも聴いてほしいと選んだそうです。初めて聴く人も多かったこの曲は、SEKAI  NO  OWARIというバンドが歌うJ-POP。オペラや童謡・唱歌、そして最新のポップスまで、岩瀬さんのレパートリーの広さを改めて感じました。

たっぷり歌って聴いて、あっという間にお時間となりました。会場を後にする参加者の清々しい表情に、今日も楽しんでいただけたのだと嬉しくなります。これから寒くなると、何となく気が塞いでしまうことも多いでしょう。そんなときはぜひ、うたのひろばで楽しい時間を過ごしてリフレッシュしてもらえればと思います。(この事業は令和3年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました。)