お知らせ

亘理「うたのひろば にゃん♪」_5月

2022.5.19

復興センターでは歌のサークルMorino花ccoのみなさんと協力して
宮城県亘理町で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を開催しています。

少し霞んではいるものの、気持ちの良い青空となりました。陽射しも強く、夏が少しずつ近づいているのを感じます。再開2回目の亘理「うたのひろば にゃん♪」は今日もたくさんの方にご参加いただきました。まずは、ソプラノ松本康子さんによるストレッチから。ぐるーりとゆっくり首を回したり、椅子の背もたれを掴むように体をひねったり、胸を広げて深呼吸したり、普段はとても出せないような高い音を出してみたり…ちょっとしたことなのですが、なかなか家で一人ではやれないストレッチ。身体がうんと伸びて、少し若返ったような気分です。

 

さて今日の歌も盛りだくさんです。1曲目は「朧月夜」。ソプラノ岩瀬りゅう子さん「かわずの鳴き声も、鶯の声も、この頃聴こえてきますね。この曲を知らない人は…?いらっしゃいませんね、それでは安心して歌えます!」皆さんに笑顔が拡がりました。幅広い世代に愛され、歌い継がれてきたうたなのだと改めて感じました。…と、みんなで朗読して歌詞を味わったあと、ふと岩瀬さんから「みなさん、子供の頃に歌ってもらった子守歌は、なんでしたか?」と質問が。「ねんねんころりよ、かなぁ」など皆さんが考えていると、「実は私にとっては、この『朧月夜』が子守歌だったんです。いつも父親が歌ってくれるのでした。正に『朧月夜』で育ったんですよ」とのお話しに、みなさんびっくり。さぞかし、お歌の好きなお父様だったのでしょうね…!

 

その後は、行進風に右腕を振りながら「栄冠は君に輝く」を男女に分かれて歌ったり(おふたりの男性が朗々と素敵な声を聴かせてくださいました!)「歌詞にたんぽぽた出てきたので」今が季節かなと思って、と懐かしい新沼謙治さんの「嫁に来ないか」まで登場。結婚やプロポーズの言葉にも時代が反映されていること、そしてタイムカプセルのように、その当時の雰囲気を歌で知ることができて、面白いなと感じました。その直後の休憩時間には、この歌で思い出したのか、旦那さんとの馴れ初めを岩瀬さんに話し始めて、止まらなくなってしまったお母さんも。…となんだか気持ちも若返ったひとときでした。

そして後半は、なんと音楽リーダーのみなさん、お召替えの上ご登場!この後の曲目「蘇州夜曲」「夜来香」にちなんで、中国風に繊細で華やかな花の刺繍が施された服を。ピアノの阿部恵美子さんも、スタンドカラーの、そして『夜』にちなんで黒い衣装がお似合いです!「蘇州夜曲」は、松本さん岩瀬さんの独唱につづいて、みんなで歌ってみました。岩瀬さんから一言「…なんだか、みなさんの色気が溢れてますね~」と言われて皆さん大笑い。「夜来香」は中国語読みの「いぇ・らい・しゃーん」の発音を松本さんが教えてくださり、みんなで一緒に繰り返してみました、が、難しい!大笑いしながらのミニ中国語講座となりました!

続くミニコンサートでは、松本さんが村上信夫作詞「ひらがなの生き方」を歌ってくださいました。あ行からわ行まで、順番に並んだ五十音で始まる各行があり「こういう生き方ができたらいい、という想いを込めた」。初めて聴く方がほとんどだったかと思いますが、歌われた松本さんご自身も、歌い終わって一言「…かなり涙腺緩んでます…」そして岩瀬さんも「沁みますねぇ…」。しみじみと、ひとつひとつの言葉の力に励まされるような歌でした。続いて、岩瀬さんが歌ったのは「いのちの記憶」。二階堂和美さんの歌で、スタジオジブリ・高畑 勲 監督作品「かぐや姫の物語」の主題歌となった曲です。こちらも「ひらがなの生き方」につづいて、“生きる”ということを改めて考えさせられるような、それでいて何かに包まれるような、ふしぎなあたたかさを感じる2曲でした。みなさん、聴き入った後で盛大な拍手!そして1時間の楽しい時間も、あっという間にお開きとなりました。最後の最後に、せっかくなので音楽リーダーのみなさんの素敵なお衣装を、改めてご披露いただきました。松本さんのジャケットは、背中側にも素敵な刺繍が!衣装でも正に花を添えていただき、ちょっと特別なうたのひろばとなりました!

今日は、始まる前、参加者のおひとりが「ここに来ると、いつも元気をもらって帰るのよ!」と受付係のみなさんに、言ってくださったそうで、スタッフMさんが「嬉しいわね~そんな風に言ってくださって…!」とすぐに教えてくれました!こちらこそ、みなさんがいつも来てくださることに元気をもらっています!初めての方も、お待ちしていますので、どうお気軽にご参加くださいね。また来月に、お目にかかります!〈この公演は、令和4年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました〉