お知らせ

荒井東「音楽サロン」_7月

2022.7.19

仙台市若林区にある復興公営住宅の荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から音楽を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

戻り梅雨のじめじめが続く仙台です。会場の周辺にある花壇や広場では草花の勢いがぐんと増しているようでした。さて、これまで音楽リーダーを務めたメゾソプラノ後藤優子さんに代わって、新たにソプラノ鈴木真衣さんお迎えしました。伴奏は引き続き田村聡子さんが担当します。雨にもかかわらず、常連さんも久しぶりの方も集まって賑やかな会となりました。

会場の四方にある窓やドアを開け放ち、充分な換気をしながらの開催です。まずは手指のストレッチや発声練習をしました。この湿気の中でマスクを付けると息苦しいほどですが、みなさんは背筋を伸ばして伸び伸びと発声していました。つづいて、『線路は続くよどこまでも』を歌います。真衣さんが「原曲は、線路工事の苦労を歌った労働者の歌なんですよ」と解説すると、みなさんは「そうだったの!」と意外そうでした。『みかんの花咲く丘』では、片手を上下に往復させ、もう片方の手では四角形を描きながら歌ってみるというチャレンジを。あたふたしつつも「こういうのって脳トレにいいのよね」と楽しんでいる様子でした。
後半は音楽リーダーによるミニコンサートです。『浜辺の歌』が披露されると、「私は荒浜だったから、歌詞の様子がほんとに目に浮かぶの」「私は石巻だったからね…」と話し出す方がいました。『夏の思い出』では尾瀬に端を発して趣味の夏山登山の思い出へと話がふくらむ方がいました。歌は人それぞれの風景を思い出させてくれる、素敵な玉手箱ですね。
聡子さんは最近のお天気にちなんで『あめふりくまのこ』をピアノソロで演奏し、会場はしっとりやさしい空気に包まれました。今日は珍しく幼稚園帰りの親子が立ち寄って、右に左にからだを揺らして生の演奏を楽しんでいました。

帰り際、演奏家にリクエストをしている方の姿がありました。真衣さんは「そういうのは歌ったことないですけど、今度やってみます!」と答えていました。いったいどんな曲なのでしょうね、演奏される時を待ちたいと思います。これからもしっかり感染症対策を取りながら、音楽サロンで元気になっていきましょう!