お知らせ

岩沼「うたのひろば♪にゃん」_8月

2022.8.4

復興センターではオペラ愛好会【Morino花cco】【すずの会】と協力して
2020年秋から宮城県岩沼市で「うたのひろば にゃん♪」を毎月1回開催しています。

今日はあいにくの雨模様でしたが、その分暑さはやわらぎました。しばらく厳しい暑さが続いていたので、少しほっとしますね。仙台オペラ協会ソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノの富樫範子さんと一緒に、今日も楽しく歌っていきましょう。本日のウォーミングアップは、体操のかわりに『め組のひと』を踊ることに。松本さんとすずの会のスタッフさんのリードで教わったばかりの振り付けを踊りました。ぎこちない動きでも、音楽に合わせて動いているとだんだん楽しくなってきますね。最後はみんな笑顔で<めっ!>とポーズを決めました。そのあとはギターの伴奏で『少年時代』を合唱。全員で歌った後には、男性陣が前に並んで歌声を披露してくれました。

 

 

今日の選曲について、岩瀬さんは「言葉に惹かれた曲を選びました」と説明してくれました。例えば『森の水車』の<コトコトコットン♪コトコトコットン♪>という歌詞は響きが軽やかで楽しく、インドネシア民謡『かわいいあの娘』に出てくるインドネシア語<ノーナマニサパ ヤンプーニャン(かわいいあの娘は誰のもの)>は耳慣れない響きながら、つい口ずさみたくなるような語感です。
『喫茶店の片隅で』という曲は、黄昏時の赤い光が差し込む喫茶店の情景が美しい言葉でつづられています。近ごろは数が減っているという昔ながらの喫茶店で誰かとお茶を飲んだ記憶が呼び起こされるような、ノスタルジックな一曲でした。
仙台では旧暦の8月に七夕まつりが開催されるのに合わせて、『たなばたさま』も歌いました。短い曲ですが、<さらさら><きらきら>といったオノマトペが歌っていて快いですね。また、歌詞に出てくる「五色の短冊」の五色が緑(青)・赤・黄・白・黒だと岩瀬さんに教えてもらいました。黒が入っているのは意外で、参加者からも「へぇ~」と声が上がりました。
最後にみんなで歌ったのは『芭蕉布』という曲です。伸びやかなメロディは歌っていてとても気持ちが良く、沖縄の色鮮やかな自然が目に浮かぶようです。この曲で岩瀬さんが心惹かれたのは「浅地紺地(あさじくんじ)」という言葉。浅地は淡い色で染めた布、紺地は濃い藍色に染めた布のことを指しますが、沖縄歌謡では浅地は浅く薄い愛情、紺地は深い愛情を表す愛情の深さの例えとして使われることもあるそうです。糸の染め方の濃淡で想いの深さを表現しているなんて、とても素敵ですね。

プログラムの合間に松本さんが歌ってくれたのが『ケ・セラ・セラ』という曲です。私生活が立てこみ「綱渡りのような生活をしています」と語る松本さんが、「何とかなるというか、なるようにしかならない、という気持ちでいます」と現在の心情に添う曲として選んでくれました。悩んでいるとき、一緒に頭を抱えるのではなく「なるようになるよ」と言ってもらうことでホッとできる場面もあるかもしれません。ケ・セラ・セラの言葉に、聴いているほうも何だか前向きな気持ちになってきました。
岩瀬さんはリクエストがあった『ラスト・ワルツを』を披露。ワルツを踊るようにワンピースの裾を揺らしながら優雅で華やかなメロディを歌う岩瀬さんの歌声に、リクエストした方はもちろん、みなさんうっとりと聴き入っていました。

本日の「うたにひろば にゃん♪」もお楽しみいただけたでしょうか。今日は暑さも小休止でしたが、また気温が高い日が続くようです。次回の開催は9月1日、まだまだ残暑厳しい折かと思いますが、また足を運んでいただけると嬉しいです。〈この公演は、令和4年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました〉