お知らせ

女川「いのちの石碑」除幕式にて

2013.11.23

大震災で生徒の8割が自宅を流失した女川中学校には、現在の3年生全員が委員を務める「津波対策実行委員会」があります。大震災を小学校の卒業式を目前にした6年生の時に経験した彼らは、中学生になって「千年後の命のために、今できること」をみんなで考え、津波の被害を最小限にする3つの対策を提案しました。その取組みの一つ「記録に残す」ことの一環として建立する「いのちの石碑」には「ここより上に逃げてください」と刻まれてあり、女川町すべての浜の津波の最高到達点よりも上の場所に設置されます。 生徒達自身が「100円募金」を呼びかけ、その親の会である「いのちの石碑を作る女川の子どもたちを支える会」など多くの協力を得て、目標額の1,000万円を集めました。東京への修学旅行の際にも企業や大学で震災の体験を語り、協力を求めたそうです。

IMG_4282-今日は女川中学校と女川湾北岸の竹ノ浦で計2基の石碑の除幕式がありました。女川中学校での除幕式では、中学生からの活動報告、除幕、碑文朗読、祝辞などに続いて、ヴァイオリン奏者の渋谷由美子さんが「花は咲く」を独奏しました。屋外でしたが、多くの方が一緒に口ずさみ、心の奥までしみじみと届くような演奏でした。 IMG_1863-
この演奏には、「千の音色でつなぐ“TSUNAMI ヴァイオリン”」が使用されました。これは震災の津波による流木(楓と松)から作られたヴァイオリンで、楽器の内側を支える魂柱には岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の木片が使われています。裏面には「奇跡の一本松」が描かれ、被災地復興の旗印となるよう願いが込められています。「千の音色でつなぐ」というように、世界中の千人のヴァイオリニストに引き継がれると同時にその楽器が辿った記憶を語り継ごうというプロジェクトで、今回が209回目の演奏に当たりました。IMG_1874-ヴァイオリン

石碑は、生徒たちが20歳になるまでに女川町の21か所すべての浜に建立されるそうです。その頃の町はどのような姿になっているのでしょうか。長い道のりですが、この石碑プロジェクトを実現し、また、本日の式次第の司会進行から活動報告まで立派に務めた彼らの姿を目にし、頼もしく思った一日でした。

80 percent of the students at Onagawa Junior High School lost their homes in the disaster.  After thinking about what they can do for life in 1000 years’ time the students decided to erect ‘life stone monuments’.  The life stones carry the message ‘please escape to a ground higher than this stone’. Over the next five years, the stones will be placed at 21 beaches in Onagawa at the highest point reached by the tsunami.  The students helped raise project funds themselves through a 100yen coin appeal. Support was also sought from businesses and universities that the students visited to talk about their experiences of the disaster while on a school trip to Tokyo.  With the help of many people, the students raised the target amount of 10m yen.
An unveiling ceremony for the first stone was held today at Onagawa Junior High School. The violinist Yumiko Shibuya gave a solo performance of ‘Hana wa Saku’ (Flowers Will Bloom) to which many of the participants sang along.
What will the town look like in five years’ time when all the stones have been erected?