お知らせ

荒井東「音楽サロン」_11月

2022.11.15

仙台市若林区にある復興公営住宅の荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から音楽を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今日もすっきりとした青空が広がりました。
10月に開催された秋まつりには参加したものの、歌の会として荒井東市営住宅を訪れるのはは8月以来です。集まってきた常連さんがスタッフにも「お久しぶりですね」と声をかけてくれました。もちろん、音楽リーダーのソプラノ鈴木真衣さん・ピアノ田村聡子さんもみなさんと一緒に歌うのを心待ちにしていましたよ!

今日は手遊びなどを取り入れたプログラムを用意してきてくれました。1曲目の『どんぐりころころ』を、まずは普通に歌います・・・と、しばらく歌の会がお休みだったせいか、みなさん声の出し方がとっても控えめ。鈴木さんの「みなさん、さっき歌詞を朗読したときのほうが大きい声でしたよ~!」という言葉に思わず苦笑がこぼれます。もう1回歌ってみると、だいぶ声が出るようになりました。せっかくの音楽サロン、元気に声を出していきましょう!さてこの曲で行う手遊びは、歌詞に<こ>と<小さい「つ」>が出てくるタイミングで手拍子をするというもの。<こ>だけのときはみなさん余裕の表情でしたが、そこに<小さい「つ」>が追加されると、ちょっと目を白黒させていました。さらっと歌い流してしまったり、あ!と気付いてワンテンポ遅れて手を打ったりと、けっこう良い脳トレになりましたね。
続いて歌ったのは『虫の声』。歌いながら、曲中に出てくる虫の鳴き声のパートでそれぞれ渡された楽器を鳴らしてもらいました。タンバリンやカスタネット、ウッドブロックなど色んな楽器を参加者に渡し、鈴木さんも「私は新聞紙で参加します!」と新聞紙をぐしゃぐしゃと丸めて音を出していました。何となく学芸会のような雰囲気でしたが、大人になると楽器を演奏する機会はあまりないので、みなさん楽しそうに参加してくれました。

ミニコンサートは秋にぴったりの、ゆったりとした曲をたくさん演奏してくれました。最初の曲は『月がとっても青いから』。個性的なビブラート唱法が特徴の菅原都々子さんが歌ってヒットした曲です。鈴木さんは何年か前にご本人がこの曲を歌う映像を見たことがあるそうですが、リリース当時と変わらない歌声にとても驚いたんだとか。「私も長く歌っていけるように頑張ります」と言う鈴木さんを、みなさん温かく見つめていました。
『この道』は、歌の勉強でフランスに行っていた鈴木さんが帰国後にコンサートで歌った曲なんだそうです。そのときは歌詞に出てくる”道”について、かつてお母さんと通った思い出のある”具体的な道”としてイメージしていましたが、聴いてくれた方の感想を色々ときいているうちに、どこかの道ではなく、それぞれがたどってきた人生の道ともとらえられるな、と考えるようになったとお話してくれました。そんなお話のあとに聴くと、『この道』という曲がより一層味わい深いものに感じられました。
田村さんがソロで演奏したのは『赤とんぼ』でした。実は全く別の曲を演奏する予定だったのを、当日の朝になって「もっと秋らしい曲を弾きたいな」と思って急遽変更したんだそうです。原曲はとても素朴な歌ですが、田村さんが弾いたものはジャズのようなおしゃれなアレンジがされていました。よく知る旋律でも、アレンジ次第でがらりと雰囲気が変わるんですね。「今日の『赤とんぼ』は日本というより、外国の夕焼けってイメージですね」という鈴木さんの感想に、みなさん深く頷いていました。この他にも『小さい秋みつけた』『上を向いて歩こう』、そしてアンコールに『埴生の宿』と、気持ちよく晴れた秋の午後にゆったりと耳を傾けられる曲が登場し、みなさんリラックスした様子で耳を傾けていました。

次回の音楽サロンは、12月27日開催の予定です。参加者にリクエストを募ったところ「クリスマスソングを聴きたい!」との要望があったので、ちょっと遅いクリスマスコンサートになりそうです。ぜひお誘い合わせのうえ、足をお運びくださいませ。