お知らせ

亘理「うたのひろば にゃん♪」_11月

2022.11.17

復興センターでは歌のサークルMorino花ccoのみなさんと協力して 
宮城県亘理町で月に1回「うたのひろば にゃん♪」を開催しています。
〈この公演は、令和4年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました〉

今朝は急に冷え込みが強くなりましたね。亘理のみなさんも厚手の上着を着こみ、「寒いねぇ」と口々に言い合いながら会場にやって来ました。今年はずいぶんと暖かい秋でしたが、いよいよ寒さも本格化してくるでしょうか。そうなってくると心配なのは感染症。ここ何日かは全国的にも感染者の数が増え、慎重にならざるをえない場面も出てきました。ただ「うたのひろば にゃん♪」については十分な換気やマスク着用の徹底など、対策をしながらできるだけ開催したいと思っています。
健康的な生活をするには免疫力を上げることも大切!歌って全身の血流を良くすることで、免疫細胞が活性化するのだとか。今日も一緒に元気に歌っていきましょう!音楽リーダーを務めるのは仙台オペラ協会ソプラノ岩瀬りゅう子さんと松本康子さん、ピアノ伴奏は阿部恵美子さんです。

今日最初の曲は『里の秋』。娘さんが3才の頃に児童合唱団で歌ったのを覚えているという女性がリクエストしてくれました。耳にする機会の多い1番は静かな秋の夜を過ごす母と子の様子が描かれていますが、歌い進めると母子は出征した父親の帰りを待っていることが分かります。戦後に放送された「復員だより」という番組のテーマ曲にもなっていたそうで、そういった背景を聴いた参加者はしみじみとして優しい歌声を響かせていました。次に歌ったのは『津軽のふるさと』です。美空ひばりさんの歌唱で記憶に残っていましたが、クラシックの声楽家もよく歌う曲なんだそうです。音の高低差が大きい曲なので、華やかで聴き答えがある1曲になりそうですね。
3曲目は「秋らしい曲が歌いたいと思って」と選んだ『影を慕いて』。確かに秋にぴったりですが、作詞作曲を手掛けた古賀政男が自殺を考えたほどの悲恋を基にしているだけあって、歌詞もメロディもとにかく悲しく寂しい・・・。しんみりとした空気が広がったところで岩瀬さんが「影じゃなくて、ぜひ実物を慕っていただきたいですねぇ」とツッコミを入れたので、参加者から笑いが起きてぱっと明るくなりました。
4曲目はがらりと雰囲気を変えて『世界は二人のために』を歌いました。前の曲とのギャップで、より一層ほのぼのとした幸せな気持ちになりますね。みんなで歌ったあとは岩瀬さんと松本さんが二重唱を披露してくれました。他にも『乾杯』や三ヵ月ほどかけて練習を重ねている『いのりの理由』などたっぷり6曲を歌ったので、帰ることはすっかり体が温まっていました。

ミニコンサートでは、松本さんは秋→涙の連想からドニゼッティの『一滴の涙』をチョイス。何やら不穏な雰囲気のある前奏に集中していると、松本さんの長く伸びる高音にカーンとうたれ、そこからは一気に曲にひきこまれていきました。亘理の会場は声がとてもよく響くので、こういったクラシックの曲がよく映えます。岩瀬さんはシャンソンの代表曲『枯葉』を歌ってくれました。哀愁たっぷりのメロディと歌詞がいかにも秋らしい一曲です。名曲はいつ聴いても良いものですが、イメージに合った季節に聴くとより味わい深いものですね。芸術の秋、3人の素晴らしい演奏を心ゆくまで堪能しました。

 

 

秋がいっぱいのうたのひろば、お楽しみいただけたでしょうか。次回の開催は12月15日、すっかり冬になっていることでしょう。コロナに限らず体調を崩しやすい時期なので、どうぞ気を付けてお過ごしくださいね。