お知らせ

釜石・青葉ビル「うたとピアノの青葉コンサート」

2022.9.3

釜石市は、市内の地域の中でも、特に被災の大きかった地域や、被災者の転入の多かった地区には、公民館兼地区生活応援センターがあり、保健師さんが常駐されています。災害公営住宅と一体で整備されている場合も多く、見守り体制や行政・社協・警察との連携体制が整っていて、孤独死を出来るだけ防ぎたいという切実さと本気さを感じるのでした。その中でも、以前の町中心部に位置するのが釜石地区生活応援センター/釜石公民館。青葉ビルのなかにある釜石公民館の、オープンスペースを会場に、キーボードを持ちこんでコンサートを開催しています。街なかにあるこの会場は、やはり、昔から住んでいる方の多い他地域とは、以前から、集まられる方の雰囲気が少し違っています。地区内に18棟もある災害公営住宅ですが、日中は働きに出る現役世代も多く、隣近所の付き合いは、住み始めて何年も経つにも関わらず、あるとは限らないのが現状のようです。お友達同士、誘い合ってコンサートにいらっしゃる…という状況は、まだまだ先のことかもしれませんが、「ああ、あの時、コンサートがあったね」「いい時間だったね」「いい歌だったね」と、一緒に思い出してもらえる思い出、地域のみなさんで共有した楽しみのひとつになれれば、と願うばかりです。〈主催:釜石公民館  協力:(一社)槌音〉

こちらでも、歌をお聴きいただくだけでなく、音楽に合わせた脳トレをしたり、ピアノのソロがあったり、腹式呼吸の練習を一斉にしてみたり、ラジオ体操を生演奏でやってみたり。なかでも「次に演奏するのは『愛の讃歌』です」と谷地畝さんが言うや否や、会場のあちこちから拍手が湧きたったことは、少し意外な感じがしました。ぐっと歌の世界にこちらを引き込むような力強くも繊細な演奏の後は、両手を上げて拍手を送ってくださる方もいました。最初から最後まで、お一人ずつが、静かに、聴いていらっしゃるような印象だったので、この時の熱を帯びた拍手は、一際嬉しく感じました。

終わって職員の方に聞くと、「いつもは公民館ではお見かけしない方が7~8人はいらっしゃいましたね…」と驚いた様子でした。そして、昨日鵜住居のバス停でお話ししたおじいさんが、今日も、わざわざバスに乗って、釜石公民館にも来てくださいました!お気持ちが嬉しく、また来ますね、お元気でいらしてくださいね、と谷地畝さん、阿部さんも約束されていました。

後からアンケートを見ると、会場を眺めて予想した印象以上に、80代の方が多くいらしていたようです。お帽子やサングラス、スカーフなどで、お洒落をして来て下さった方が多く、心を若々しく保つ秘訣をそっと教わったようでした。これから年を重ねていく時に見習いたいお姿が、お客様の中にたくさん、いらっしゃいました。どうぞ次の機会にも、またお元気にお出かけくださいね。〈本公演は、岩手県「令和4年度被災者の参画による心の復興事業」補助金を受けて実施しました〉