お知らせ

釜石・中妻「かるっと音楽♪楽しも会」

2022.9.4

釜石市中妻公民館へ、引き続き声楽家/アルトの谷地畝晶子さん、ピアノの阿部夕季恵さんとご一緒に。古い古いカワイのアップライト、毎回「本当にいいんですか、このピアノで…」と調律師さんに心配されつつも、逆に段々愛着が湧いてきているピアノ、納品は昭和47年!今回も阿部さんが大事に、弾かせていただきました。毎回25名前後集まる広い会場は、階上と敷地内に災害公営住宅が3棟あり、高齢者の一人暮らしがとても多いことが特徴です。内陸部にあるため、沿岸部各地からここへ移り住まわれた方が多く、一から、コミュニティをつくる必要がありました。週に二回のラジオ体操は、安否確認の場にもなっていて、姿が見えなければ、すぐに連携を取れる体制ができているのだそうです。〈主催:中妻公民館〉

ずっと少なかった新型コロナ感染者数が、釜石にしては高止まりのこの頃。釜石公民館と同じく、今回参加される方は少ないのでは…と心配していた予想は見事に裏切られ、開演直前に、あれ?あれ??と、どんどんいらっしゃるお客様に、うれしい悲鳴でした。扉を開き、廊下まで広く会場を使って、椅子を出します。ママに抱っこされた小さな男の子は、ぐっすり眠ったまま到着(そのまま、コンサートが終わるまで気持ちよさそうにぐっすり)。おかげでママもゆっくりコンサートを楽しんでくださいました。また、日曜日の開催であったためか、若い男性の姿もありとても嬉しく思いました。

前回伺った際、リハーサルを始めようとした途端「すみません、15分だけ、ラジオ体操させてください…」と言われ、お、それなら、と住民さん達と一緒に私達も混ざったことがありました。その出来事をヒントに「一緒に歌いましょう」と声を掛けることが躊躇われる今、「実は…ラジオ体操のピアノ、練習してきました」と、みなさんにも一緒にやってもらうことに。会場全体が「え?」と、ぽかーんとされた後に、笑いが起こり…みなさんそれならば、と立ち上がってくださいました。こちらでも所長と職員さんにも、前に出ていただきました。「みなさん、日頃の成果を発揮する時が、遂にきました!」とK所長。再びどっと笑いが起こります。体操の先生も、すーっと前に出てきてくださり、40名近いみなさんでのラジオ体操は、橋野に続いてなかなか壮観でした!終わって着席されると、おじいさんが一言「…つかれたな…」(笑)。

すかさず谷地畝さん、「身体を動かして、ちょっとあったかくなったところで、、クールダウンに歌謡曲をお聴きいただきたいと思います…」と「時の流れに身をまかせ」を演奏します。こちらもついついつられて、歌い出される方があちこちに。ハナウタが出るのも、ついつい音に誘われて、聴こえるこちらもなんだか嬉しくなります。終わってみれば、普段は公民館では見かけない方が10名以上。「誘い合っていらっしゃった方が、多かったかも…」とは普段から、職員のみなさんが、住民のみなさんをよく見ていらっしゃるからこそ…。オシャレをしてきてくださる方もいらして、そんなちょっとしたことが、一緒にコンサートをつくることができたような気がして、とても嬉しく感じました。〈この公演は岩手県「令和4年度被災者の参画による心の復興事業」補助金を受けて実施しました〉