お知らせ
釜石・唐丹「来てけらっせん!とうに音楽会」
- 2022.9.6
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釜石市唐丹公民館にて、今回の釜石・大槌ツアー最終公演となりました。声楽家/アルト谷地畝晶子さんと、ピアノ阿部夕季恵さんと共に、体調を崩さずに最後まで走り切れたこと、本当にほっとしながら唐丹公民館に向かいました。
2022年3月8日の、唐丹公民館での「復興コンサート」が、実は、音楽の力による復興センター・東北として1000回目の記念すべき公演でした。直前の中止・延期が続いた時期でもあり、事前の広報は控えることにしていたものの、そのことに気付いたのは翌日のこと…改めて、唐丹のみなさんにも、ご報告をさせていただきました。ここまで携わっていらした音楽家のみなさん、依頼をいただき、また引き受けてくださった各地の主催者のみなさん、聴きに来てくださったお客さん、ボランティアカメラマンのみなさん、そして寄附を寄せてくださったみなさん、これまで採択いただいたいくつもの補助金等、何一つ、誰一人欠けてもこんなに長く続く活動にはならなかったのでは、と思います。ありがとうございました。また、今後も引き続きどうぞよろしくお願い致します。
そんな記憶・記録に残る唐丹での、半年ぶりの公演となりました。最前列には、唐丹児童館(保育園)の2人の年長さんが、座布団に座って聴いてくれました。ちなみに、唐丹児童館は全園児で2名。来年この子達が1年生になったら、その後は…?以前、10名弱の子どもたちが参加してくれたこともありました。ここ数年でこんなにも状況が変わってしまうのかと、地域の現状を目の当たりにした思いでもありました。
唐丹でのラジオ体操は、なんと、子供たちが前に出て体操してくれました!参加者のみなさんは目を細めながら、気持ちよさそうに体操に参加してくださいました。「月」の頭の体操は、なかなか難しかったようで、脱落者続出も、それはそれで笑いが起こって楽しい時間に。最後の「夕焼け小焼け」は、あぁ、これを聴くのも、最後なんだなぁ…と…感慨深いものがありました。
今回のツアーでの選曲は、スコットランド民謡と秋の童謡コーナーに、唐丹では子どもたち向けの「おはなしゆびさん」も加わりました。その後は、海にちなんだ曲のコーナー、そしてお客さまにも参加いただく呼吸法&脳トレの時間。そこから外国の音楽のコーナーではショパンの「マズルカ」と「愛の讃歌」をフランス語でお聴きいただいた後、みんなでラジオ体操に汗を流し、クールダウンに昭和の歌謡曲、最後は憧れのハワイへ!そして、最後の最後は、アンコールとして「夕焼け小焼け」を。1時間に、こんなにまで、と言うほど、実はバラエティー豊かに用意してくださった、谷地畝さんと阿部さんの、今回のプログラムでした。「愛の讃歌」の訳詞と原詩の内容の違いもわかりやすく、谷地畝さんもドレスで参加する生伴奏のラジオ体操も、その意外性が大変好評でした。何よりみんなで一緒に体を動かすのは気持ちがいい!そして生伴奏ですから、会場に集まった方の年代を見て、阿部さんにはテンポを合わせていただき、その配慮もとても気が効いていました。
本編最後の「憧れのハワイ航路」からの「夕焼け小焼け」は、本当に場を明るく、あたたかくしてくれる歌たちでした。「椰子の実」「愛の讃歌」は、どんな年代の人もいつの間にか、その音楽の詩の先へと引き込まれ、想像力を膨らませながら聴いてくださっていたように思います。ピアノソロも、またバラエティに富んでいました。10会場もあれば、楽器も色々、アップライトだけでも状態の異なる3台の楽器。ピアノとキーボードではタッチも違い、ペダルも違います。それぞれの楽器の特性も、回を重ねるからこそ「コツをつかんできました」と心強い言葉をいただきました。
曲目を決めるまでに、お二人で、またスタッフも含めて試行錯誤していただき、何度もやりとりをしてきましたが、やはり、一公演やってみると、お客さまの反応、というのがどの曲にもそれぞれちゃんとあるものでした。その中で少しずつ曲目を替えたり、演奏の順番を替えてみたり、はたまた自信を深めたり…ということも、複数公演が続くツアーならではのことでした。その、プログラムの工夫を、ちゃんと感じ取って下さった方もあちこちにいらして、とても嬉しく思いました。
この日は、外で食べる時間がなく、お昼を控室に持ち込んで食べさせていただきました。すると、公民館で借りてる畑で地域のみなさんが育てたミニトマトや、きゅうりのお漬物をお裾分けいただき一同感激。(この畑での活動が、唐丹公民館事業の中では一番人気だそうです。)そして終演後、汽車時間の時間もあり、急いでタクシーに乗り込もうかと言う時に「え??そうなの??かぼちゃ煮たから食べてって!」これまたみなさんが育てたかぼちゃ、コンサートの間に職員さんが煮て下さっていたのでした。大切に育てられたかぼちゃは、ほど良い甘さで、5日間の公演を終えた身にも心に、しみじみと美味しくいただきました…。さてそれではいよいよお別れ、と思いきや「あ!あと、じゃがいも、持ってってね!」とこれも唐丹公民館の畑で採れたものとのこと!職員さんだけでなく、会場の片づけを子供たちも手伝ってくれて、なんとも温かな気持ちになっていた上に、みなさんのお心遣いに胸がいっぱいなお別れとなりました。
また、釜石・大槌のみなさんに喜んでいただけるように、そして、まだお出かけになったことのない方にも、足を運んでいただけるように、内容を練って再びお伺いしたいと思います。また、6日間お世話になりました谷地畝さん阿部さん、カメラマン臺さん、hanaさん、本当にありがとうございました!〈この公演は、岩手県「令和4年度被災者の参画による心の復興事業補助金」を受けて実施しました〉