お知らせ

岩沼「うたのひろば♪にゃん」_3月

2023.3.2

復興センターではオペラ愛好会【Morino花cco】【すずの会】と協力して
2020年秋から宮城県岩沼市で「うたのひろば にゃん♪」を毎月1回開催しています。
〈この公演は、令和4年度宮城県NPO等による心の復興支援事業補助金を受けて実施しました〉

最近は暖かい日が続いていますね。いよいよ3月になり、季節が春に向かって駆け足になっているのでしょうか。春といえばやっぱり桜の開花が待ち遠しいですが、今日は会場にドーンと満開の桜が!岩瀬さんが持ってきてくれたのですが、作ったのはデイサービスに通うおばあちゃんたちだそう。濃淡の異なる紙やちょっと透ける紙が使われた超大作で、会場が一気に華やぎました。
常連さんがお友達にたくさん声をかけてくれたようで、今日は初めての方が5人ほど参加してくれました。お久しぶりの方も顔を出してくれて会場は大賑わいです。春の兆しがそうさせるのか、今日は特にお元気そうで、おしゃべりに花が咲いていました。音楽リーダーを務める仙台オペラ協会のソプラノ岩瀬りゅう子さん・松本康子さん、ピアノ富樫範子さんの3人も、もちろん参加者に負けず元気いっぱい!今日も一緒に楽しく歌っていきましょう。

ウォーミングアップとして、歌で脳トレにチャレンジ。2グループに分かれて、それぞれ『ゆき』と『春がきた』を同時に歌ってみました。曲の長さが同じなので同時に歌い終わるはずですが、はたして・・・?簡単そうですが、どちらもよく知っている曲なので、自分はこの曲を歌っている!と意識しながら歌わないとつられてしまうんです。童謡を歌っているとは思えない真剣な顔で、みなさん上手に歌い切っていました。
体も頭もほぐれたところで、さっそく歌のコーナーにまいりましょう。最初の曲は『歌の町』です。歌詞には【ちょきちょき ちょっきんな】【ぴかぴか ぴっかりこ】といったオノマトペがたくさん登場するので、言葉のリズムにのって楽しく歌いました。2曲目は『ひょっこりひょうたん島』です。テンポが速いうえに言葉数も多いので、けっこう体力を使う曲でした。歌の合間に、波をかきわける音は【ジャブジャブ】か【チャプチャプ】か、「ひょっこりひょうたん島」と「チロリン村物語」の登場人物がごっちゃになっていたりと、思い出話もあれこれと話していました。
3曲目はがらりと雰囲気を変えて、オペラ「リゴレット」より『女心の歌(日本語歌詞)』を歌いました。まずはお手本を、ということで、松本さんが1番だけ歌ってくれたのですが、そこはプロの歌唱。お手本にするにはちょっとレベルが違いすぎますね。今日が初めての参加だった方はその歌声に「えっ!?」と目を剝いていました。オペラの中ではテノールのアリアなので、男性にとっても女性にとっても音域は高めの曲です。高い音を軽やかに歌うためには、と岩瀬さんが教えてくれたコツは、椅子に浅く腰かけて背筋を伸ばして歌うこと。どっしり座り込んでいると歌声も重くなってしまうみたいですね。いざ!と曲が始まれば、みなさんかなり高い音まで歌えていました。声が出るかな~とおっかなびっくりで歌うと声が出にくく、かえってファルセット(歌声)で思い切りよく歌ったほうが、高音域まで歌えるような気がします。それにしても、日常生活でここまで声を張ることはなかなかないので、歌っていてすごく気持ちがいいですね。松本さんの歌を聞いて「こんな高いの無理だよ~」と言っていた女性も、歌い終わると「いや~、スッキリしたね」と顔をほころばせていました。
テノールアリアということで、うたのひろば恒例・即席男声合唱団にも登場してもらいました。いつもは意気揚々と前に並ぶ男性陣も、本格的なオペラアリアとなるとちょっと尻込み気味。しかし女性陣が「頑張って!」と大きな拍手で誘って舞台に立ってもらいました。パートとしてはバリトンやバスの人がほとんどなので大変そうでしたが、一生懸命にすてきな歌声を聴かせてくれました。この次に歌ったイタリアのカンツォーネ『マンマ』もちょっと高い音域の曲でしたが、『女心の歌』で学んだことを活かして上手に歌えていました。
最後は明日のひなまつりにちなんで『うれしいひなまつり』を歌います。女の子の節句ということもあり、さっきのお返しに今度は女性だけで歌うことに。いつもは男性が歌声を披露する機会が多いですが、女声だけの合唱も華やかですてきです。満開の桜と菜の花を背景に、のびのびと歌うことを楽しんでいる様子でした。さらに舞台袖では曲に合わせて踊る一団も。歌って踊って、とても楽しい時間となりました。

 

 

ミニコンサートで岩瀬さんが歌ってくれたのは『唄』という曲です。まず童謡の『蝶々』のメロディが前奏として流れ、【日が光るのみ、幼き子が/「蝶々、蝶々」 かく歌えば】という歌詞で曲が始まりました。この「蝶々」は前奏で流れた童謡の『蝶々』のメロディで歌われ、歌詞に出てくる小さい子が口ずさんでいる歌なんだな、ということが分かります。春のやわらかな陽の光のなかで、小さい子が歌っているという何とも優しい情景が浮かんで心が和みますね。
松本さんはオペラ「アドリアーナ・ルクヴルール」より『私は貧しい神のしもべです」という曲を歌ってくれました。『女心の歌』のお手本に驚いていたご新規さん、どんな曲を聞かせてくれるんだろうと身を乗り出していましたが、再びのオペラアリアにまたしても圧倒されながら聴き入っていました。

 

 

復興センターが岩沼「うたのひろば にゃん♪」のお手伝いをするのは今年度いっぱいのため、本日が最後の参加となりました。ただ、会自体は4月以降も継続されていきますので、皆さま引き続きご参加くださいね。2年間本当にありがとうございました!