お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_4月

2023.4.21

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市「音楽の力による震災復興支援事業」)

今日は初夏のような汗ばむほどの陽気となりました。田子西市営住宅の敷地内にはたんぽぽが咲き揃っていて、それを眺めるだけでも気持ちが明るくなるようです。会場には19名の参加者が集まってとても賑やかでした。音楽リーダーのソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんも元気に登場しました。
腕や肩回りを中心としたストレッチの後は、発声練習を兼ねて数字を数えながら指を折る脳トレにチャレンジ。一見、単純なことなのに「できない~!」とギブアップする人もいましたが、できないこともまた楽し、ゲラゲラ笑って身体が充分に温まりました。

さて、今日のメニューは松本さんが「スキップしたくなる歌」をテーマに取り揃えました。童謡『ことりのうた』『かわいい魚屋さん』『お山の杉の子』『おべんとう』に加え、大正時代の流行歌『煙草のめのめ』です。どの曲にも「タッカ、タッカ」という軽快なリズムが共通しています。春ならではの朗らかな気分にふさわしいですね。
『かわいい魚屋さん』や『お山の杉の子』には登場するキャラクターが相手に話しかけるセリフのような歌詞があるため、松本さんも岩瀬さんも「ここは仏様のように優しく…」「ここは威張って…」と演技指導に熱が入ります。参加者のみなさんは恥ずかしがりつつもちょっと頑張って試していました。

『おべんとう』では松本さんが替え歌を用意してきて、「コーヒー コーヒー おいしいな 飲むと いい声 出るんだよ」とみんなで歌いました。そして、「大学時代、声の調子がよくないときに先生が『コーヒー飲んでみなさい』と言われ、やってみたら本当に声が出るようになったんです!」と思い出を話しました。カフェインで喉が目覚めたのでしょうか、みなさん「へええ~知らなかった」と感心していました。
休憩をはさんで、後半のミニコンサートでは、松本さんがこれまたスキップのリズムがたのしい『晴れたらいいね』を、岩瀬さんが心静かに『庭の千草』を英語版で歌いました。
また、大正時代に松井須磨子が演じた『カルメン』の挿入歌としてつくられた『煙草のめのめ』にちなんで、松本さんと岩瀬さんがビゼーのオペラ『カルメン』の中で煙草工場の女工たちが歌う曲を二重唱で披露しました。みなさんは美しい歌声とハーモニーに耳を澄ませて、聴き入っていました。新年度の最初の回も盛りだくさんな「うたカフェ」でした。