お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_5月

2023.5.19

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

曇り空からぽつぽつと雨粒が落ちてくる金曜日、「降って来ちゃったねえ」と集会所に駆け込んでくる人もいました。灰色の空の下、市営住宅の花壇では紫蘭が花盛りで鮮やかな色が目を惹きます。
雨にもかかわらず20名を超える参加者があり、会場はほぼいっぱいになりました。今日初めて参加した方もいます。音楽リーダーのソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんも「今日はたくさんの人がいらしてますね!」と驚いていました。
恒例のウォーミングアップに続き、昭和初期の歌謡曲『丘を越えて』を歌いました。「藤山一郎の歌い方を思い出して、声を遠くへ飛ばしてみましょう!」とのアドバイスを受け、みなさんが歌の最後の一音を朗々と歌い上げますと、気分が晴れ晴れとして力が湧いてきたようでした。その調子!とばかりに、続いては『高原列車は行く』を歌いました。こちらも朗らかで弾む曲調がいいですね。歌の風景が目に浮かびます。歌う人も聞く人も元気になってくるようです。松本さんのリードで、みなさんはコブシのようなポルタメントにも挑戦していましたよ。

戦後の童謡『みどりのそよかぜ』は5番まである大作で、「最初の1行はよく知っていたけど、全部は知らなかったわ」という声がありましたが、「うたカフェに来ると、実はよく知らない歌に触れることができるのが面白いんだよね」と言う方もいました。何事も改めて向き合うと、新しい発見がありますよね。そして5月はバラの季節でもあります。『バラ色の人生』では、演奏家のお三方がバラ色の服に着替えたり、バラのアクセサリーを付けたりして雰囲気を盛り上げていました。毎回、何かしらの工夫を凝らしてくださるのがとてもありがたいです。
シャンソンならではの語るような部分は4チームに分けて歌い、おなじみのメロディが始まると越路吹雪かエディット・ピアフになりきってたっぷり歌いました。そこに松本さんが歓喜のため息を加えたので歌はさらに盛り上がりました。皆さんの歌声にみなぎるパワーを感じました。

会の最後に、岩瀬さんはシューベルトとウェルナーの『野ばら』を、松本さんはブラームスの『五月の夜』を披露し、参加者のみんさんは歌うのも聴くのも大満足、大きな拍手が沸きあがりました。

初めて参加した方は「予想を上回る会でした~!」と笑顔で帰って行きました。地域の人を見守る地域包括センターの職員さんも楽しそうに過ごしていました。どうぞまたいらしてくださいね。