お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_7月

2023.7.24

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

暑さに負けず、今日もたのしく歌っていきましょう!いつものように音楽リーダーはソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんです。まずは脇腹や背中、足のストレッチをして、歌う準備を整えます。

続く発声練習で、今日は「巻き舌」を取り上げました。巻き舌が苦手な方のために、らは「るあっ」、ろは「るおっ」と言うつもりで「はじくように発音してみてください」とアドバイスがありました。舌を息ではじくように勢いよく発音すると、自然と息がおなかの深いところから出てくるんですね。今日、巻き舌をやってみたのは「舌の脱力」を感じてほしいからだそうです。
瑛利子さんは「歌うときには舌の脱力が大事で、私は10年近く毎日のように練習したんです」と或るワークを紹介しました。それは「サッポロラーメン、とろろそば」という言葉を「サッポるぉるぁーメン、とるぉるぉそば」のように、ラ行の音を「ル+母音」に分解してすばやく発音するというものです。へんてこなおまじないみたいですが、さっそくあちこちから唱える声が聞こえてきました。

 

さて、発声練習を済ませ、みんなで『椰子の実』『真っ赤な太陽』などを歌いました。最初に瑛利子さんが見本で1番だけ歌うのですが、待ちきれない様子で一緒に歌う人も何人かいました。文語体の格調高い歌曲も、ノリノリの歌謡曲も、楽しんでいる様子でした。

後半のミニコンサートで、原田さんはショパン『子犬のワルツ』をピアノソロで披露しました。
軽やかな音の粒は、子犬のようでもあり、水面にきらめく光のようでもあり、会場の空気が澄んでいくような感じがしました。聴いていた皆さんのため息と大きな拍手に原田さんは嬉しそうでした。
瑛利子さんが季節にちなんで『アイスクリームのうた』を歌うと、もしかして昔お子さんと一緒に歌ったことがあるのかしらん、ニコニコととても嬉しそうにリズムに乗って聴いている方がいました。また、『フニクリ・フニクラ』は男性が歌うイメージの強いカンツォーネですが、ソプラノ瑛利子さんの声も負けずに「フニクラぁぁぁぁぁぁ~!」と朗々と響き渡り、暑さを吹き飛ばす勢いでした。

今日の締めは『七夕おどり』です。往年の流行歌手、島倉千代子が歌った仙台独自の踊り歌です。「きんきんきらきら、お星さまもうれしそう~」と、町内会長さんが率先して踊ってくださいました。
この泉中央南市営住宅には震災のため県内あちこちから移転して来た方がお住まいです。中には、この歌を知らないという人もいるのですが、「へえ、仙台の盆踊りはこういうのなんだね~」と珍しがっていました。これもひとつの文化交流でしょうか。思えば、歌は古今東西、時代も国境も越えて楽しめるすばらしい装置ですね。また次回もどうぞお楽しみに。