お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_8月

2023.8.21

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

「残暑厳しき折」とは言いますが、その厳しさが増しているようにも感じられる日々です。歌声サロン常連のEさんがアイスクリームを差し入れてくださり、音楽リーダーのソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんは「おかげさまで生き返りました~」と大喜びでした。差し入れありがとうございます!

ウォーミングアップの発声では、胸の前で握った拳を前方斜め上に持ち上げて、声を引き出すイメージを持つことを試しました。さらに「大根を引き抜くように!」「大きなかぼちゃを持ち上げるように!」と、腰を据えてから伸び上がる動作と発声を連動させてみました。バレーボールのレシーブのように手を組んで伸ばした腕を持ち上げて、低音から高音へのジャンプもやってみました。身体を連動させるとたのしさも増して声を出すのが楽になる感じがしました。
また、『かもめの水兵さん』に合わせた振付を踊って脳トレ兼ねた準備体操も行ないました。「右、左、膝、ポン!」と、掛け声に遅れを取らないよう集中して腕を動かしていました。「ちょっと、クーラー効いてないんじゃない?」という声が上がるほど、ヒートアップしたようです。

本日のうた1曲めは『栄冠は君に輝く』です。ちょうど地元の仙台育英高校が勝ち抜いているところで、タイミングぴったりの歌ですね。甲子園の光景を思い浮かべ、片手を振りながら歌う方もいました。そして最後の「ああ栄冠は君に輝く」部分の「ああ」はさっきの発声練習を応用しました。朗々と声が伸びて気持ちが良いですね。

2曲目は谷村新司の『昴』です。壮大な世界観と主人公の決意のさまが特に男性に好まれるようです。音域が広く難しい歌ではありますが、多少の音の違いはさておいて、みなさんは主人公になりきって歌っていました。この歌も「ああ~」と歌い上げるところがあります。瑛利子さんが「みなさん、もうおわかりですね?」と声をかけると、各自腕を上げたり背を伸ばしたりして歌っていました。歌い終わると自然と拍手が湧いてきます。「よく歌った」というご自分への拍手なのか、「じつに良い歌だ」という作品への拍手なのか・・・きっとその両方ですね。すてきな光景だなあと思います。

休憩をはさみ、後半のミニコンサートでは原田さんがピアノソロで『あまちゃんのテーマ』を披露しました。軽快なリズムと空に放たれるような伸びやかな旋律で、ぱあっとまぶしい夏の景色が目に浮かぶようです。みなさんは手拍子で応援します。原田さんは途中のパーカッション部分もピアノ本体を叩いて、賑やかに演奏しました。

続いて、瑛利子さんは井上陽水『少年時代』をしっとりと歌い、夏の終わりのひぐらしの鳴き声を思い起こさせるような、ちょっとせつない空気が会場を包みました。
アンコールとして美空ひばり『お祭りマンボ』が披露され、ひばり世代のみなさんは手拍子したり「わっしょいわっしょい」の掛け声を入れたりと、演奏家と一緒になって楽しんでいました。
出口では「今日も楽しかったですー!」と演奏家に話かける方が何人もいました。
今日初めて参加した方は「私も昔ソプラノ歌っていたのよ~」と興奮冷めやらぬ様子でした。暑さを忘れるひとときになったようで、よかったです。