お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_10月

2023.10.13

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて仙台市宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や
津波被災地域にお住まいの、おおむね60歳以上の方々と
毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

前回の練習の頃からくらべると朝晩冷え込むようになり、ぐっと季節が進んだように感じられます。
講師のソプラノ齋藤翠さんとピアノ目々澤亜紀さんは
「ものすごーく久しぶりな感じがする…」
と、季節の急な変化にとまどっていました。

さて、芸術の秋ということで、練習にはさらに熱が入ってきた様子でした。
「声が散らかるとだらしないので、上唇をつまんで、声の響きをまとめる感覚をおぼえてください」
前回に続き、みんなで上唇をつまんでみます。
ああ、そうでした、この感じ。声がくっきりと前に出てくるようで、歌がしっかりしてきますね。
続いて、翠さんは表現上の細かい注意点を次々に挙げます。
「最初の“ぎ”をつかむように歌ってください。しっかりと」
「シンコペーション=強調と思って歌いましょう」
「ここのmpを活かすために、逆算して手前のmfをはっきりとさせて」
「濁点の処理が遅いです。引き算の気持ちで軽やかに、母音を輝かせて!」
何度もやっているうちに、団員にもだんだん違いが分かってくる様子でした。違いが分かると、早晩身に付くものです。頑張りましょう。
今日はとくに姿勢について重点的におさらいしました。長く伸ばす音がどうしても下がって来るので、斜め上をねらって声を飛ばすために、背筋をややそらして胸を開ける練習を繰り返しました。
また、楽譜を見ると頭が前に出て下がるので、耳と肩を縦位置に揃えるように、鏡を見ながら意識的に歌いました。やってみると、後ろに傾いてオットットとなりそうな違和感が少しあります。が、見た目は凛として、俄然ステキになりました。
「普段は猫背でも、歌うときはこの姿勢に慣れてくださいね!」
一日一度はこの背筋そらし&胸ひらきをやって、身体に覚え込ませたいところです。団員のみなさん、よろしくお願いします。

今日の実験で面白かったのは、伸ばした母音の切り方でした。歌の最後の一音をたっぷり伸ばした後に切る際、口を閉じて切るのと、口を開けたまま切るのとでは、その後の余韻がまったく違うことを知りました。
唇で切るのではなく、呼吸のコントロールで音を止める感じです。みなさん「こんなに違うんだね」「なるほどね~」と感心していました。
歌はやればやるほど課題が出て来て大変ですけど、そこがまた面白さでもあります。次回まで自主練習を楽しんでいただければと思います。今日は休憩も忘れそうになる熱血指導の練習会、お疲れさまでした!