お知らせ
「ほっこりふれんどサロン」復興コンサート開催しました
- 2013.12.19
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仙台市青葉区の西部、愛子駅のそばにある宮城保健センターで毎月「ほっこりふれんどサロン」があります。これは青葉区社会福祉協議会宮城支部が主催するサロンで、震災でこの地域に移転してきた借上げ民間賃貸住宅(みなし仮設)にお住まいの方と地域の民生委員の交流の場として、さまざまな催し物や茶話会を行っています。
今日はこのサロンへ復興コンサートをお届けしました。演奏は杜の弦楽四重奏団(ヴァイオリン岡千春さん・門脇和泉さん、ヴィオラ齋藤恭太さん、チェロ塚野淳一さん)です。冷たい氷雨の降る中、会場にはおよそ15名の方が集まりました。
いかにも弦楽らしくヴィヴァルディの「春」で始まりましたが、宮城県の民謡「斉太郎節」が演奏されるとみなさん驚いていたようです。おなじみの「青葉城恋歌」「川の流れのように」では、客席から自然と歌声が湧きました。「故郷」を一緒に歌う場面ではぽろぽろと涙をこぼして声にならない方もいました。これまでクラシック音楽の生演奏を聞いたことがないという方もありましたが、岡さんや塚野さんの軽妙なトークですっかり親しんだ様子になっていました。アンコールの後は大きな拍手で見送られました。
演奏後は出演者を交えてのお茶会です。「歌が大好きだから、今日は本当に嬉しかった」「こういうふうに誰かが来てやってくれるのは石原軍団の慰問以来だ」などさまざまな声がありました。
主催者によると、このサロンに集まる方々は、気仙沼、石巻、東松島などの津波被災地、宅地被害の大きかった仙台市折立地区、そして福島から避難してきた方々だそうです。ある方が「ずっと海のそばにいて、初めてこっちのほうに来たけど≪住めば都≫だね」と笑って言いました。しかし、「住めば都」という言葉を笑って言えるようになるまで、どんなにか苦労なさったことと思います。また、「こうして歌を聴くと、ひとことも言えないままでいなくなってしまった人たちのことが思い出されて涙が出た」と言いました。演奏者も「目の前で泣いていた人がいたので、こちらも涙をこらえるのに精一杯だった」と言いました。
「今日はお友だちが来られなかった。でも、ぜひ聴かせたいから、また来てください」とのお声をいただきました。暖かくなったころにまたお会いしましょう。