お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_5月

2024.5.17

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

さて、今日もたくさんの参加者が集まりました。ご新規さんもお久しぶりの方もいて、とても賑やかです。田子西市営住宅の町内会長さんは座席を足したり、後で配るお菓子を追加したりしながら「すごいですね~」と嬉しい悲鳴を上げていました。
音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんは「5月」と「花」にちなんだプログラムを用意してきたそうです。
まずは岩瀬さんが『お母さんは春』を歌って、みなさんを歓迎しました。温かく愛らしい歌にみなさんの頭が右に左にやさしく揺れます。

続いては歌う前のウォーミングアップとして、童謡『肩たたき』に合わせて自分の肩や腿をトントン叩いて歌いました。血行が良くなって全身がホカホカと温まりました。
みんなで歌うコーナーではおなじみの『朧月夜』『みかんの花咲く丘』を歌い、唱歌の良さを改めてしみじみと味わいました。菜の花畑や海の景色をイメージすると気持ちが晴れ晴れとして、呼吸が深くなりますね。

その後、「さあ今日のメインイベントです!」と松本さんが紹介したのは布施明のヒット曲『君は薔薇より美しい』です。たじろぐ参加者に「歌いやすいようにキーを下げました。息の続く限り声を伸ばしてみてください」と松本さんは言いました。言葉も多いし、拍子も変わるし、なかなか手ごわい歌ですが、みなさん一所懸命に歌っています。無茶ぶりされても食らいついてゆく積極性が頼もしいですね。
のち、「せっかくなので男性だけで歌ってみませんか?」と松本さんに誘われ、喫茶ひこのマスター西垣さんと町内会長さんが前に出て歌いました。いきなりの挑戦を受けて立ってくださって、ありがとうございます!勇敢なるお二人に客席の女性たちから大きな拍手が贈られました。

コーヒーブレイクをはさんで、後半のミニコンサートでは富樫さんがランゲの『花の歌』を独奏し、岩瀬さんは『ハナミズキ』を歌いました。布施明効果でテンション高めになっていた空気がしっとりと落ち着いて、ちょっとうるっとしていた方もあったようです。

最後に、松本さんがマスカーニ『花占い』を歌いました。道端の花を摘んで、花びらを抜き取りながら「愛されている、愛されていない…」と恋の行方を占う娘のさまを演技しながら歌い、オペラの舞台のようでした。
5月という美しい季節を、音楽を通してみんなで愛でたひとときでした。
帰り際に西垣さんは「まさか布施明を歌わされるとはねぇ…」と苦笑していましたが、それもまた良し!ということで。