お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_5月

2024.5.20

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

朝は雨降りでしたが、サロンが始まる前に雨は上がりました。ご近所のケアハウスからやって来た方が「本当にお久しぶりですねえ」と嬉しそうにしていました。コロナ禍以来数年ぶりの参加です。今日は新たにご友人を誘ってきてくださいました。ありがとうございます。
今日も音楽リーダーのソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんがたくさんの歌を用意してきましたよ。
まずは歌う前の準備として軽くストレッチをしました。そして、呼吸するときにポイントとなる横隔膜のワークを紹介しました。
瑛利子さんいわく、横隔膜がよく動くのは「泣く」「くしゃみする」「笑う」ときだそうで、「アニマル浜口さんを思い出して、笑ってみましょう!」と、低音・中音・高音の三段階に分けて「わーっはっはっはっは!」と大きな声を出しました。うそで笑っていたのがだんだん面白くなってきて本当に笑い出していた方もいました。
続いては「うどんを一本すするつもりで、息を吸ってみてください」とのこと。唇をすぼめて「すーっ!」と勢いよく吸い込みます。自然と口蓋の奥のほうが持ち上げる感覚があります。「この引っぱり上げる感覚が、特に高い音を歌うときに大事になります」と説明がありました。なるほど。

この季節にぴったりの『夏は来ぬ』に始まり、『東京の花売り娘』『君といつまでも』を歌いました。この曲はどれも低い音から高い音への行き来があって、けっこう歌いにくい部分があるのです。ウの母音だけで歌ってみたり、さっきのうどんのワークを活用して引っ張り上げる意識で歌ったり、あるいは囁くように語るように歌ってみました。
また、顔を上げて姿勢を正すだけでも発声が変化するものです。手元から目を離して、遠くを見て歌うと、雨上がりの緑が目に入っていっそう気持ちよく歌えました。
後半のミニコンサートでは、まず、5月の母の日にちなんで『ばら・きく・なずな ―母に捧ぐ―』が演奏されました。作詩は画家で詩人の星野富弘さんです。瑛利子さんはこの曲を歌うと涙をこらえるのが大変だそうです。全身麻痺という境遇にもかかわらず、ささやかながら温かな希望を感じさせる星野さんの言葉が胸にしみます。
続いて満梨奈さんはシューマン『トロイメライ』を演奏しました。大人になってから思い出す子供の頃の情景の数々…それはきっとちょっとせつなく、ほろ苦いのかもしれません。みなさんは哀愁を帯びた旋律に身をゆだねて、しみじみと聴き入っていました。「大人になってからいっそうこの曲の良さがわかるようになってきました」と、満梨奈さんは語り、お客さんもうなづいていました。

その後はがらりと雰囲気を換えて『木綿のハンカチーフ』が演奏されると、
「これ、大好きー!」と客席から声が飛んできました。お楽しみいただけて何よりです。みなさんの好反応を受けてお二人も嬉しそうに演奏していました。
終演後は、演奏家がみなさんをお見送りしました。数年ぶりに参加した方も「やっぱり来てよかった、楽しかった~」と笑顔で帰って行きました。どうぞまたいらしてくださいね。