お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_6月

2024.6.17

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

からりと晴れた月曜日、市営住宅の近くを流れる七北田川では大きな鯉がゆったりと泳いでいました。もはやプールが恋しい季節です。
さて、音楽リーダーのソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんは今月、雨にちなんだ曲をたくさん用意してきたのですが、梅雨はいったいどこへやら…雨降る日のちょっと落ち着く気分を思い出しながら、歌っていきましょう。
まず軽くストレッチしてから、発声練習をします。今日は「ほっぺたを持ち上げて声を出す」ということを重点的に行ないました。「頬を上げると、声が明るく若々しくなりますよ」とアドバイスがあり、みなさんはマスクの下で頬を上げたり下げたりして試していました。

そして、のど慣らしに『カエルのうた』を輪唱してみました。
瑛利子さんは参加者を2つの組に分けて「こちらが源氏、こちらが平家です」と名付けました。渋いネーミングセンスですね。源氏を追う平家、平家を追う源氏…とまるで歴史絵巻の様相ですが、みなさんはのんきに伸び伸びと歌っていました。声が重なると、不思議と楽しいものです。
『南国土佐を後にして』は参加者からのリクエスト曲で、土佐弁を交えた『よさこい節』の引用部分が粋な風情を醸しています。瑛利子さんと満梨奈さんはもちろん初挑戦の歌でしたが、見本の歌唱で「お~、いいねえ」と客席から拍手が起こっていました。
「合唱のときはよく”口を縦に開けて”と言われますが、演歌のときはむしろ”にーっ”とほっぺたを上げて歌ってみてください」と、さきほどの発声練習を応用して頬骨を上げてそこに筋肉を寄せ集めながら歌いました。たしかにオツな雰囲気の歌いまわしになりました。
『長崎は今日も雨だった』では「声を伸ばすときは、終わりに向かってクレシェンドしてゆくことを意識しましょう」とコメントがありました。言われてみれば、途中で息切れしてフェイドアウトさせていた人がほとんどでした。
「よし!」とここでみなさんのやる気スイッチが入ったようで、一番の聞かせどころのラスト「ああああ~ながさきぃは~」の部分は、声がどんどん沸き上がって会場全体がびりびり震えるかと思うほど。瑛莉子さんも満梨奈さんも圧倒されて「すばらしーい!!」と感激し、みなさんはまんざらでもない様子でした。
後半のミニコンサートでは『雨がやんだら』『城ヶ島の雨』と、雨にちなんだ歌が披露されました。
『城ヶ島の雨』は異なる作曲者によるバージョンが複数あるそうで、瑛利子さんはいちばん好きだという山田耕筰版で歌いました。
満梨奈さんは先日のメモリアルコンサートでも演奏した『浜辺の歌』を弾き、みなさんはいつもと異なる新鮮な表現をじっくり堪能していました。閉じた目の裏にはどんな風景が浮かんできたのでしょうね。
雨尽くしだった本日の締めは『雨の慕情』です。「あめあめふれふれ」のジェスチャーとともに、みなさん大満足の様子でなごやかにお開きとなりました。

終演後のお見送りで、或る方が「はい、これ」とリクエスト曲のメモ書きを手渡してくださいました。
昭和10~40年代の歌謡曲がほとんどで、音楽リーダーのお二人は「…はい、調べてみます!」と新たな意欲を見せていました。頼もしいことです。引き続いてのご研究、よろしくお願いします!