お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_6月
- 2024.6.21
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仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)今日はほどよい曇り空で過ごしやすかったせいか、参加者が増えて会場が狭く感じられるほどでした。
今日も音楽リーダーは仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノは富樫範子さんです。ウォーミングアップに軽くストレッチしたあと、文部省唱歌『茶摘』に合わせて昔なつかしの手遊びをやってみました。
近くの席の人どうしで向かい合って、声と息を合わせます。「わ~何年振りかしら!」「うちではこうやってたのよ」といろいろな声が聞こえてきました。かなり盛り上がって、みなさん笑顔になっています。
いきなり冒頭からクライマックスの展開になったので、「ふ~…」と深呼吸で息を整えてから本日の課題曲に移りました。
1曲目は童謡の『アイスクリームのうた』です。この歌を知らない方も何人かいましたが、覚えやすいメロディなので、すぐに口ずさめるようになっていました。松本さんは「歌詞にある”アイスクリーム”や”トロン”という言葉は、滑らかにとろけるように歌ってください、こんなふうに」と、身振りを交えていかにもとろ~んと歌い、みなさんは真似してゲラゲラ笑っていました。
2曲目『木綿のハンカチーフ』では男女に分かれて歌い合いました。都会に出ていく彼氏と、故郷に残る彼女の悲しい物語です。普段からオペラで演技に慣れている松本さんは一人二役を演じて歌い分け、拍手を浴びていました。続いては昭和の大ヒット曲『二人でお酒を』『喝采』です。みなさんお好きなのか、歌声に艶が出て、滔々と湧いてくるような感じがありました。これはすごい。どなたかが「これ、カラオケでよく歌ってるの」とその秘密を明かしてくださいました。「この頃の歌にはさ、物語があるよね~」と改めて感心している方もいました。本当ですね、ことに『喝采』はドラマティックで、一篇の映画か演劇を観たような気持ちになりました。松本さんはオペラ歌手という職業柄、「この気持ちは、痛いほどわかります…」とちょっと涙ぐんで歌っていました。
喫茶ひこのマスター西垣さんが淹れたコーヒーでひと息ついたあと、松本さんは「アイスつながりで…」とベートーヴェン作曲のドイツ歌曲『君を愛す』を披露しました。ダジャレ的な選曲でしたが歌は本格で、優しいピアノの調べに乗ってきりっとしたドイツ語で歌い上げました。
岩瀬さんは「アイスのお題をもらって、必死で探したんです!」と松田聖子の『瑠璃色の地球』を歌いました。人間は争ったり傷つけあったりするけれども「愛す」る力もあると後半の歌詞に出て来て、みなさん納得の様子でした。楽しい時間はあっという間で、終演後、名残惜しむように『茶摘』の手遊びを岩瀬さんとおさらいしている方がいました。こういう遊びは地域や年代によって違いがあるので、それを交換するのも面白いものです。
それではみなさま、夏バテ注意でまた来月お会いしましょう。