お知らせ

田子西「うたカフェ」_7月

2024.7.19

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

日差しはなくとも、やや蒸し暑い午後です。夏の暑さにも負けず29名の参加者が集まり、最高記録となりました。うたカフェをご愛顧いただき、ありがとうございます!
音楽リーダーのソプラノ松本康子さん(仙台オペラ協会)と岩瀬りゅう子さん(同)、ピアノ富樫範子さんは今日は思い切ったプログラムを用意してきました。「名前」にちなんだ歌特集とのことで、童謡『さっちゃん』から、ザ・ビートルズ『ヘイ・ジュード』、サザンオールスターズ『いとしのエリー』、そしてダウンタウン・ブギウギ・バンド『港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ』というラインナップです。
参加者からのリクエストに基づいた選曲だそうですが、はたして大丈夫でしょうか。ついてこられるかしらん…
というスタッフの心配をよそに、みなさん楽しんでいる様子が窺えました(ちなみに『ヘイ・ジュード』は英語に読み仮名を振って歌いました)。
お好きな方はノリノリでコーラスを入れたり、歌いまわしを真似したり、とてもゴキゲンな雰囲気でした。よく知らない方もサビ程度は耳馴染みがあるのでしょう、それなりに口ずさんでいました。
『いとしのエリー』は言葉の入れ方が難しく、松本さんいわく「いろいろ映像を見ましたが、桑田さんもその都度いろいろな歌い方をしている様子なので、みなさんもその日の気分で歌ってよいと思います!」と言い、みなさんちょっとホッとして歌えていたようです。
『港のヨーコ…』では音楽リーダーのお三方がサングラス姿で登場し、「アンタ、あのコの何なのさ」ポーズをばっちり決めて、やんやの喝采を受けていました。
この歌はじつは5番まであり、今回あえて全部を歌ってみました。すると、歌詞が「1年前」から「たった今」まで順を追った時間経過があり、主人公が、謎の女性ヨーコとどんどん距離を詰めてゆくスリリングなストーリーが展開していたということがわかりました。ドラマティックな構成の歌だったんですね。

喫茶ひこのマスター西垣さんが用意したコーヒーでひと息ついた後は、ミニコンサートの時間です。
今日のテーマ「名前」つながりで、松本さんが『いのちの名前』、岩瀬さんが『サンタ・ルチア』を歌いました。前者には青春の思い出がきらめくせつない夏を、後者はイタリアのカラッとした明るい夏を感じさせ、それぞれ異なる夏の風景が広がりました。
終わって帰ってゆく参加者の笑顔を観るたびに、歌はほんとうに人を元気にするんだなとつくづく感じます。
毎回、いろいろな工夫を取り入れてプログラムを構成してくださる音楽リーダーの皆さんには感謝申し上げたいと思います。次回もよろしくお願いします!