お知らせ

泉中央南「歌声サロン」_7月

2024.7.22

仙台市泉区の復興公営住宅で2015年10月から「歌声サロン」を始めました。
復興センターでは音楽リーダーをコーディネートし、
泉中央南町内会と協働してこのサロンを開催しています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

じりじりと日差しが照りつける日です。ご近所から集まって来る方々には厳しい天気と思われましたが、「お友だち連れてきたよ~」と、おとなりのケアハウスから5名いらっしゃいました。猛暑の中をありがとうございます!
音楽リーダーのソプラノ佐藤瑛利子さんとピアノ原田満梨奈さんは夏の装いでさわやかに登場しました。

まずは季節にちなんで『すいかの名産地』で準備体操です。
腕を伸ばしたり体を8の字に揺らしたり、「めいさんち」の言葉に合わせて「目を指さす」「3本指を立てる」「拍手1回」の動作をすばやく行なう場面ではあたふたと楽しく慌てている様子でした。
発声練習では「大きなカブを引き抜くつもりで」と、足を踏ん張ることや丹田に力を入れることを意識して声を出しました。

本日の課題曲、1曲目はリクエストにお応えして『北上夜曲』です。戦中に岩手県で生まれた青春歌ですが、歌の舞台となった北上川が宮城県にも続いていることもあってか、シニアにはたいへん親しまれている歌です。
「ゆったりとした三拍子の横揺れ感を意識して歌いましょう」とのアドバイスで、みなさん右に左にゆれながら朗々と歌っていました。

2曲目はグループサウンズのヒット曲『ブルー・シャトウ』です。満梨奈さんが「これが“森とんかつ、泉にんにく”の原曲だったんですね!」と言うと、客席から「あはは、そうそう!」と声が飛んできました。
ラストの部分で「ブルー」を繰り返してだんだん音程を上がってゆくところがありますが、瑛利子さんは「高い音のウの母音はオで歌うと歌いやすいですよ」とコツを伝授。同時に「大きなカブを引き抜くつもり」も意識しつつ、みなさんは「ブロー、ブロー、ブローシャートォォォォ~」と声高らかに頑張っていました。

後半のミニコンサートはまもなく開催されるオリンピックにちなんでフランス特集でした。
瑛利子さんは「大きい声が出るのでびっくりしないでくださいね」と、19世紀の歌曲『ヴィラネル』を原語で披露しました。ツバメのように自由に飛びたいという詩だそうで、ロマンティックなピアノの旋律にのせて瑛利子さんの声が会場いっぱいに響き渡り、猛暑を忘れて初夏の爽やかな風が感じられるようでした。
満梨奈さんはドビュッシーの『ゴリウォーグのケークウォーク』を独奏。3歳の娘のために作られたというこの曲は鮮やかでへんてこりん!ダイナミックでユーモアあふれる演奏にくすぐられるようにして、みなさん目を丸くしていました。

アンコールは『バラ色の人生』は、おなじみの越路吹雪ヴァージョンでお届けしました。みなさん歌の世界に入りこんでうっとりと聴き、最後は「はぁ…」とため息がもれ聞こえました。大満足の歌声サロンとなりました。
出口では演奏家に感想やリクエストを伝える人でちょっとした渋滞が発生しますが、直接言葉を交わせる良い機会でもあります。ご意見どしどしお寄せくださいね。それではまた来月!