お知らせ

田子西「うたカフェ」_8月

2024.8.16

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

今日はお盆の最終日、ご先祖様も一緒にうたカフェを楽しんでいただければと思います。台風の影響が懸念されましたが、なんとか降らずに済みそうですね。
音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんはお盆休み返上で、いつものように楽しいプログラムを用意してくださいました。そんなリーダーさんをねぎらって、「これ、少しばかりだけど…」とお菓子を差し入れた方がいました。お気遣いをありがとうございます。

初めにゆったりとストレッチしてウォーミングアップしたあと、岩瀬さんが脳トレを兼ねた指の体操を紹介しました。『静かな湖畔』を歌いながら、両手でカウントしてゆくというものです。
ただし、右手は親指から折り込んでいき、左手は人差し指から突き出していきます。岩瀬さんがやすやすとやってみせましたが、あちこちで「あれ?」「え?」とこんがらがった様子が見受けられました。ピアノを弾く方には簡単なワークかもしれませんが、そうでない方にはなかなか…せっかくなのでおうちでもやってみていただきたいワークです。

さて、今日の課題曲は「まち」にちなんだ選曲です。まずは野口雨情作詞の『あの町この町』を歌いました。「日が暮れる~」など歌詞を繰り返すところは「やまびこのように歌ってみてください」と松本さんからアドバイスがありました。歌の風景に奥行きができて、夕暮れのせつない雰囲気が表現できたように聞こえました。

昭和のヒット曲『五番街のマリーへ』の歌詞をみんなで音読したとき、松本さんは「五番街は近いけれど、とても遠いところ」の部分に「なんてせつない…なんかぐっと来ちゃいました」と涙ぐみそうになっていました。
喫茶ひこのマスター西垣さんはこの歌がお好きだそうで、「昔の歌には物語があるよねえ…」と改めて詩のよさをかみしめていました。
いわゆるAメロ的な部分が3回繰り返されますが、「似てますけど、最後は思いが高まってリズムが変化しているんですよ」とのこと。みなさんは「なるほどね~」と歌詞の登場人物になりきって、会いたくても会えない人への思いを高めて歌っていました。

西垣さんの淹れたコーヒーで一服したあとは、松本さんが映画『マイ・フェア・レディ』より『君住む街角』を、岩瀬さんがジブリ映画『耳をすませば』より『カントリー・ロード』を歌いました。
お二人の豊かな歌声が爽やかな風を運んでくれるかのようで、しばし暑さを忘れたひと時でした。それではまた来月に。