お知らせ

荒井東「音楽サロン」_10月

2024.10.15

仙台市若林区にある復興公営住宅の荒井東市営住宅町内会からの依頼で
2018年4月から歌を楽しむ会をお届けしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

芸術の秋です。音楽リーダーのメゾソプラノ後藤優子さんとピアノ田村聡子さんは季節にちなんだ歌をたくさん用意してきました。
まずは入念にストレッチと発声練習をしました。「白鳥のように、大きく羽ばたいて~!」と、肩胛骨まわりをよく動かして、歌う態勢を整えます。

 

準備が整ったところで、パートナーソングにトライしました。童謡の『どんぐりころころ』とテレビドラマ水戸黄門の主題歌『ああ人生に涙あり』を、歌詞を交換して歌うというものです。どちらも五七調の歌詞なので、交換が可能なのです。どんぐりとどじょうのやりとりが重厚になったり、人生の苦労がころころと可愛らしく感じられたり、とみなさん新鮮な体験を面白がっていました。日本の歌は五七調のものが多いので、次回は別の歌で試してみましょうね。

続いてはペギー葉山のヒット曲『ケ・セラ・セラ』を歌いました。女の子がやがて母になる人生の移り変わりの中で、「人生なるようになるわ」という励ましの言葉が手渡されてゆく歌です。
ゆったりした明るい三拍子で、自然と体が右へ左へと揺れてみなさん気持ちよさそうです。実はヒッチコック映画の主題歌と聞いて「知らなかった!」と意外そうにしていた方もいました。

後半のミニコンサートでは、まず聡子さんが山田耕筰『赤とんぼ』を厚みのある豪華なアレンジで独奏しました。目を閉じてじっくり聴き入る方がいます。ちょっと寂しさを含んだ、秋ならではの風情が漂い、余韻の中で大きな拍手が沸きました。

続いて、優子さんが昭和の流行歌から美川憲一『さそり座の女』、岩崎宏美『思秋期』を披露。それぞれの歌が持つドラマを歌声にのせて表現し、みなさんは表現の幅広さに感心して聴いていました。

アンコールは一転、秋のメランコリーを吹き飛ばすように笠置シヅ子『東京ブギウギ』が演奏されました。

イントロが始まるや、「この歌、大好きなの~!」と立ち上がって踊り出すOさんを、みなさんは手拍子で応援しました。演奏家のお二人もその様子に大喜び、集会所がダンスホールになる勢いの盛り上がりでした。
歌い終わって、全員が「あ~楽しかった!」と大満足の喝采と笑顔を送り合いました。
こんなふうに人それぞれの楽しみ方で、日常をちょっと離れる時間を持つことは、きっと心身のリフレッシュになっていることでしょう。これからの冬に備えて、歌って免疫力を上げて行こうではありませんか!