お知らせ

みやぎの「花は咲く」合唱団_10月

2024.10.29

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて仙台市宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や
津波被災地域にお住まいの、おおむね60歳以上の方々と
毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

一カ月前の蒸し暑さから、一気に秋がやってきました。今朝は特に冷え込み、ストーブやエアコンを付けた人が多かったようです。「朝はマフラーしてたのに、ここに着くころにはすっかりあったかくて、もうマフラーいらないくらいだった~」とピアノの目々澤亜紀さん。「この気温差で、少し喘息気味で…」とメンバーのMさんも。今日も歌って身体を温めて、免疫力を上げていきましょう!そして元々2名のみの男性メンバーがお休みでしたが、その代わり今年3月の「花は咲く」コンサートの際見学に来て下さった仙台フィル副指揮者の神成さんが、歌いに来てくれました!とりわけ人数の少なかったアルトパートに強力な助っ人登場です。「一度来たいと思いながら、ようやくスケジュールが合いました!」メンバーも驚きつつも、なんとなくわくわくしている様子。今日も歌の指導は、仙台オペラ協会 齋藤翠さんです。

さて、今日もストレッチと発声練習から。左腕を高く伸ばして右に倒れ、ろっ骨をアコーディオンのように縮めた後は、ぐーっとその腕を上に。「高い樹のりんごに手を伸ばします~」ぐーっと腕を伸ばしてりんごを掴んだら、その腕をゆっくり開いていきます。単純な動作、でもこれが気持ちよいのです。そしてOKサインを両手で作り、小指を外側に向け、ちいさな円を描くように素早く回します。なんだか妖精さんがたくさん楽しそうに飛び回っているようにも見えました。「mi-mi-mi-mi」の発声練習では「iの母音が、とっても上手になってます!」褒められました!季節の歌は「里の秋」。昭和16年に発表された時は、戦意高揚を目的とした歌詞だったのが、昭和20年に敗戦後、歌詞が書き換えられました。子どもたちには、説明なしには伝わらないですよね。今、ここが平和であること、同じ瞬間、平和とは言えない地域・国があることも、同時に想いました。

歌は「春メドレー」から始まりました。まず、歌い始めてみると…「みなさん、最初が暗いですよ~!本番でも、この曲が1曲目ですから、パトナホールの後ろの高いところを見るように、目線と顔を上げましょう!」意識を変えてみると、ちゃんとさっきとは違う、明るい声色に代わっています。その他「花の街」では、「作詞の江間章子さんは焼け野原を見て、またいつかカラフルなお花が咲くといいな、と想像したのだそうです。歌う時も、そのカラフルなお花畑を頭に思い浮かべてみましょう!」と。イメージひとつ、気持ちひとつでみなさんから出てくる声もガラリと変わりました。

「贈る言葉」「君をのせて」とその後もつづきます。リズムの難しい言葉の入れ方や、隣りの音に移る時に引きずらないことなど、ニュアンスを分けるような細かな指導もありました。本当に細部ひとつひとつが積み重なって、全体の表現ができてくるのですね。「このサビの、父さん、母さん、と出てくるところ。父さんは力強く、母さんは…(あたたかく大きく…?)とイメージを替えて歌ってみましょう」という翠さんのアドバイスに、またしてもみんなで挑戦してみました。

最後は、普段練習ではほとんど歌わない「花は咲く」を、約半年ぶりに歌ってみました。ほとんどのメンバーがいつもの通り、楽譜を見ずに歌い始めたのですが、あれ?!歌詞が意外と出てこない?!「大丈夫!まだ本番までは時間があります」と翠さんに励まされて、今日は練習終了です。

「春のメドレー」は「半分くらい初めて聴く曲です」と言うお若い神成さんでしたが、始終よいお声を聴かせてくださり「お隣からいいお声が聴こえて来て、耳が幸せだった!」「前にも聴こえて来てとっても素敵だった~」「本番も一緒に出てくれるの?」と、休憩中や終了後は、メンバーが代わるがわる声を掛けに集まっていました。「花は咲く」の最後のほうでは、楽譜にないオブリガートを即興で歌っていらしたような?流石!残念ながら、本番にご一緒することは叶わなくなってしまったのですが、でもまた歌いにいらしていただけると嬉しいです。合唱団一同、お待ちしています!そして、その次回コンサートは、2025年3月1日(土)と決まりました。時間など詳細は、決まり次第お知らせいたします。