お知らせ

幸町町内会「秋の演奏会」へ

2024.11.4

今日は、仙台市宮城野区にある復興公営住宅の幸町第三市営住宅へ「秋の演奏会」を届けてきました。この住宅と周辺地域住民で構成される幸町町内会からの依頼でした。出演はフルート櫻井希さんとピアノ八巻梓さんのデュオです。八巻さんは今回初めて復興コンサートへの参加となりました。どうぞよろしくお願いします!
会場には10歳から99歳まで19名が集まり、ほぼ満員状態でした。ご来場ありがとうございます!町内会長さんが自作の絵を飾って演奏家を歓迎してくださいました。

演奏会はエルガー『愛の挨拶』にはじまり、バッハ/グノー『アヴェ・マリア』、ショパン『小犬のワルツ』など、まずはクラシックの名曲をお楽しみいただきました。お二人は、バッハ時代の気分を味わっていただこうと電子ピアノをチェンバロの音にしたり、「ショパンの頃のピアノと現代のピアノはちがうんですよ」「フルートは尺八に似ていて…」などなど、楽器についての解説を入れたりして、お客さんの興味を引きつつ進行しました。お二人の和やかな佇まいに、お客さんは緊張することなく、ゆったりと過ごしていました。

秋にちなんで山田耕筰『赤とんぼ』などの唱歌や山口百惠『秋桜』など昭和の歌謡曲を織り交ぜて、この時季ならではのちょっとセンチメンタルな気分を味わっていただきました。
また、「ぜひご一緒にうたってください」と唱歌の『里の秋』が演奏されると、90代の方も声を出して楽しそうに歌っていました。シニアのみなさんの歌声が会場に満ちて、温かな空気になりました。「こういう歌は、いまの教科書には載ってないんですよね…」と希さんが残念そうに言っていましたが、唱歌という文化的な財産を継承しないのは本当にもったいないことですね。
石川さゆり『津軽海峡・冬景色』や美空ひばり『柔』など演歌の数々が披露されると、客席からは一緒に口ずさむ声が聞こえてきました。「先日、二人で演歌のコンサートに行ったんです!」「坂本冬美さん、かっこよかったですよ!」という話に、みなさん一気に親近感が湧いた様子でした。

終演後はお客さんが「ありがとう」「楽しかったよ」と演奏家に声を掛けていました。ある方は最近テレビで見たフルート吹きの若者の話を熱心に語り、ある中学生(いま吹奏楽部でフルートを吹いているそうです)は「音が上手く出ないんです…」と相談を持ちかける場面もありました。
ちょっと汗ばむほどの小春日和の午後、音楽を通して穏やかに、賑やかに、交流することができました。ありがとうございました。