お知らせ
田子西第二市営住宅「クリスマスコンサート」
- 2024.12.18
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ここ、田子西こだま町内会では、みんなで一緒に歌をたのしむ「歌う♫こだまの会」を2018年から2022年にかけて定期的に行なっていましたが、コロナ禍の影響等で継続が難しくなり、昨年度からは年に1回のコンサート形式で開催するようになりました。
本日出演するソプラノ大河原真歩さん(仙台オペラ協会)とピアノ大岩千華さんは、その「こだまの会」で音楽リーダーを務めていました。前回2月の早春コンサート以来の登場となったお二人は「お久しぶりです!また来られてうれしいです」と笑顔を輝かせていました。
真歩さんは深紅、大岩さんは真っ白の衣装でクリスマス気分を演出しています。町内会役員の方々も手づくりの飾りつけをいそいそと、お二人を歓迎しました。いつもお気遣いいただきまして、ありがとうございます。今日はご新規さんを含めて20名を超える参加者が集まり、コンサートへの期待がうかがえました。前半はみなさんご一緒に歌うコーナーなので、まずは準備体操から。肘を前後に大きく回して肩甲骨まわりをほぐします。続いて「耳にはツボがたくさんあるんですよ」と真歩さんが説明し、みんなで耳をよくマッサージしました。ちょっと視界が明るくなった気がします。のどにも効くらしく、歌う前にやると良いそうですよ。
さて、季節にちなんで『ペチカ』『もみの木』『ホワイトクリスマス』などを歌いました。この時季ならではのことをきっちりやっておくと、それはそれで味わいや楽しさがありますし、気持ちに区切りがつくものです。
そして真歩さんは「この曲を一緒に歌いたくて持ってきました!」と、みんなで『愛の讃歌』に挑戦しました。やはり今年のパリオリンピックの印象が強く残っていたようです。
なんと真歩さんは「恋に恋するお年頃の、10代の女の子になったつもりで歌ってみませんか?」と新解釈を提案しました。ピアフや越路吹雪ほか熟年女性の情熱的な歌だと思っていただけに意表を突かれましたが、「大人の女性の歌にすると歌詞に怨念がこもりすぎて怖いので…」とのこと。夢見る乙女のときめきを思い出して(?)歌っていただきました。
まめにたっぷりとプレスして歌うようアドバイスがありました。ラストの歌い上げる部分は頑張っておなかの底から声を出し、その様子になぜだか自動的に感動してしまうのでした。会の後半は真歩さんと大岩さんが演奏を披露します。真歩さんは『Have Yourself a Merry Little Christmas』、マスカーニ『アヴェ・マリア』を歌いました。雪の夜に気持ちがしんと落ち着くような、温かさが感じられました。
大岩さんはショパンのノクターンを演奏するにあたり、「明るいのと暗いのとで迷ったのですが、冬至が近いので明るい方に決めました」と『ノクターンOp.9-2』を披露しました。
軽やかで澄んだ音や深い音が泉のように滾々と湧き出してくるような演奏に、みなさんは身をまかせて聴き入っていました。清やかな調べがこの一年のあれこれを洗い流してくれるようですね。続いて、真歩さんは『サンタが街にやってくる』に乗せて客席を回り、大きな袋を手渡しながら歌いました。その袋の中には鈴が入っていて、その後『ジングルベル』ではみなさんシャンシャンシャンと盛大に鳴らして盛り上がりました。童心に返ったような朗らかなひとときでした。
ラストはベートーヴェン第九の『喜びの歌』で締めました。「心は朗らか、喜び満ちて」の歌詞が、音楽そのものが持つパワーを示しているようです。この調子で、また来年もお互いに明るい笑顔を見かわしたいですね。
大満足のクリスマスコンサート、アンコールで真歩さんは「歌うこだまの会でここに通って、みなさんにお目にかかるようになって、私にとってここは大切な場所になりました。第二のふるさとみたいに思っています」と語り、ジーツィンスキー『ウィーン、わが夢の街』を歌いました。みなさんはやさしい三拍子と軽やかな歌声に身を揺らしつつ、心のこもった演奏にじーんと感激した様子で耳を傾けていました。
お見送りする演奏家にお客さんは「たのしかった~」「また来年もきてね!」と声を掛けます。初めて参加した方は「声を出して歌えて楽しかったです」とにっこり。会を運営してくださった役員さんもホッとした様子で嬉しそうでした。
みんながこうして笑顔になる「歌う♫こだまの会」、また来年も開催できますように!それではみなさまよいお歳をお迎えくださいね。