お知らせ

田子西「うたカフェ♪」_12月

2024.12.20

仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

寒さの中に差し込む日ざしが嬉しい金曜日です。毎年12月は恒例のクリスマスコンサートをお届けします。音楽リーダーの仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんはドレスアップして登場しました。毎年ありがとうございます!
一年の締めということもあってか、約30名の参加者が詰めかけて会場はびっしり満員です。みなさんがもうワクワクしているのが伝わってきました。

さて、今回のプログラムは「第一部:ドイツ歌曲とドイツ民謡」「第二部:みんなで歌うクリスマス」という構成でした。
最初に松本さんがモーツァルト『すみれ』を、岩瀬さんがシューベルトとウェルナーの『野ばら』を歌いました。ドレス姿のお二人が歌えば、集会所はオペラ劇場になるのです。さっそくみなさんはうっとりと聴きほれている様子でした。
どちらも詞はゲーテによるものだそうで、少女に恋するすみれの花と、バラに惹かれる少年という対比を松本さんが説明しました。すみれが最後に踏まれてしまうとは、なんとせつない歌なのでしょう。続いて松本さんはブラームス「42のドイツ民謡集」から『許しておくれ 美しいお嬢さん』を歌いました。また、「これもドイツ民謡なんですよ」と、おなじみの童謡『ぶんぶんぶん』をみんなで一緒に歌いました。
ここで一服、コーヒータイムとなりました。喫茶ひこマスター西垣さんが淹れたてコーヒーをサーブしながら「今日は人数が多いねえ」と目を白黒させていました。参加者から「この香りだけでもう幸せ!って感じ」「いつも美味しいコーヒーをありがとうございます~」という声がありました。みんなで飲むといっそう美味しいのかもしれませんね。
第二部はミュージカル映画「王様と私」や日本映画でも有名になった『Shall We Dance ?』から始まりました。岩瀬さんと松本さんはドレスの裾をリズムに合わせて大きく翻し「さあみなさんもご一緒に!」と手拍子3つをきめました。気分はもう舞踏会ですね。

続いては、富樫さんがピアノソロで山下達郎『クリスマス・イブ』を披露しました。80年代に話題になったCMが思い出されます。客席からの大きな拍手にちょっと照れ気味の富樫さんでした。

終盤はおなじみのクリスマスソングの数々をソプラノ二重唱でお楽しみいただきました。お二人の息の合ったハーモニーはいつも美しく、豊かで、温かさを感じます。
今年はどんな一年だったでしょう。この一年を祝福するような歌声に包まれて、みなさんはうっとりと聴き入っていました。
最後はみんなで『ジングルベル』をはつらつと賑やかに歌って、コンサートの締めとしました。
終演後は記念写真を撮ったり、年末の挨拶を交わしたり、わいわいと過ごしました。
「それじゃあまた来年ね!」「よいお年を!」満ち足りたようなみなさんの笑顔で、音楽リーダーのお三方も、西垣さんも嬉しそうでした。