お知らせ
鳴瀬サロン「のびる新春コンサート」へ
- 2025.1.11
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この事業は宮城県「芸術銀河2024 音楽アウトリーチ普及事業」の一環で行ないました
主催=みやぎ県民文化創造の祭典実行委員会(芸術銀河)
共催=公益財団法人音楽の力による復興センター・東北うららかな日差しがあふれる今日は宮城県東松島市の野蒜市民センターへうかがいました。東日本大震災前にこの地域にお住まいだった方々が主催する同郷サロンの〈鳴瀬サロン〉からお声がけいただき、「のびる新春コンサート」をお届けする次第です。
2014年以来、毎年クリスマス時期にコンサートをお届けしてきたのですが、今回はニューイヤーコンサートとして開催しました。
出演は仙台オペラ協会のソプラノ齋藤翠さんとバリトン野崎貴男さん、ピアノ可沼美沙さんです。ニューイヤーコンサートにふさわしく、ヴェルディ、プッチーニ、モーツァルトほか著名なオペラ曲の数々と、なつかしのミュージカルナンバーや映画音楽をたっぷりお楽しみいただきました。
この地域は翠さんの地元なこともあり、とてもアットホームな雰囲気です。翠さんはお客さんと一緒に歌ったり踊ったりして、華やかに場を盛り上げました。
野崎さんは育児休暇を経て数年ぶりの出演でしたので、「子供が生まれて歌の感じ方が変わってきました。今日は愛のすばらしさをいま一度、改めて歌いたいと思います」と、初めて声楽の試験を受けたときの課題曲『慕情』を英語で、心をこめて歌いました。
可沼さんは『東京ブギウギ』をダイナミックかつ軽快に演奏し、ブギのスウィングと手拍子で会場が一体感に包まれました。
ラストナンバーは『誰も寝てはならぬ』です。「この歌詞に〈勝ちて取れ〉とあるように、今年一年が皆さんにとって良きものでありますように!」と、男声女声の二重唱で歌い上げました。圧を感じるほどの声量とピアノの響きが厄など吹き飛ばし、一年の始まりを輝かしく祝福するかのようでした。
終演後、お見送りに立つ演奏家に多くのお客さんが話し掛け、ここでも温かくなごやかな時間が流れていました。野蒜駅から望む海は、定規でまっすぐに線を引いたように静まって、いかにも春の海らしいおだやかな表情を見せていました。