お知らせ
〈こんにちはコンサート〉西本願寺仙台別院へ
- 2025.1.27
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仙台市では、新しい音楽ホールと中心部震災メモリアル拠点の複合施設を整備する計画を進めています。
この施設では『文化芸術を子育て・教育・福祉・まちづくりなどに生かす』ことを大きなテーマとし、
開館を前にさまざまな取組みを行ないます。その一つ「こんにちはコンサート」は、
アウトリーチ事業モデルの構築を目的とする事業で、復興センターが企画制作を担っています。今朝は仙台の市街にある西本願寺仙台別院ボランティアセンターへうかがいました。このセンターを会場に活動しているシニアサロン〈ひまわり会〉と体操サークル〈すこやか会〉のみなさんへコンサートをお届けしました。
出演はヴァイオリン小野英駿さんと、同じくヴァイオリンの門脇和泉さんです。
まずはエルガー『愛の挨拶』に始まり、バッハ、イングランド民謡、昭和の演歌、季節の唱歌などなど、ご高齢の方にもよく親しまれた曲が演奏されました。ヴァイオリン二挺によるアレンジがおなじみの曲に違う表情を与え、時には丁々発止の鋭さで、時にはソシアルダンスのような華やかさで、新鮮に響きます。
途中でヴァイオリンの仕組みに関するクイズコーナーや、ヴァイオリンの運指を基にしたちょっと難しい指体操も取り入れて、お客さんは感心したり目を白黒させたりしながら面白がっていました。
「お話しするのがあまり得意じゃなくて…」と苦笑するお二人に客席から「大丈夫よ~!」と声が飛んできました。お二人のなごやかトークが微笑ましく、みなさんはニコニコと耳を傾けています。一転、演奏では峻厳な表情も見せることもあり、『荒城の月』では力強い弓さばきから紡がれるむせび泣くような調べが聴く人の胸に迫るようでした。会場の窓からは広瀬川の向こう遥かに仙台城址の石垣と政宗公騎馬像が望めます。政宗さんにも聞こえていたでしょうか。
最後は葉加瀬太郎『情熱大陸』をびしっと決めて、やんやの喝采が沸きました。終演後、参加者から
「バイオリンだけでもこんなに豪華な演奏になるんですね」「とても楽しかったです!ありがとうございます」
「震災で仙台に避難して来て右も左もわからなかった頃から考えると、こうやって音楽をたのしめる今、自分は幸せだと思います」
というお声をいただきました。今朝は氷点下の冷え込みでしたが、演奏家もお客さんもほっこりと心が温かくなるひとときをご一緒できました。ありがとうございました。