お知らせ

みやぎの「花は咲く」コンサート2025

2025.3.1

≪みやぎの「花は咲く」合唱団≫
かつて仙台市宮城野区の仮設住宅にお住まいだった方や
津波被災地域にお住まいの、おおむね60歳以上の方々と
毎月1回合唱の練習をしています。
2013年10月から続いている活動です。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)

宮城野区文化センターが主催する震災復興交流事業「あなたのオモイ それぞれのカタチ」の中の一企画として、「みやぎの『花は咲く』コンサート2025」を開催しました。おだやかに晴れた土曜日、会場のパトナホールにはおよそ200名の来場者がありました。
第一部は講師演奏として、合唱団の指導にあたっているソプラノ齋藤翠さん(仙台オペラ協会)とピアノ目々澤亜紀さんがそれぞれ演奏を披露しました。翠さんは『ゴンドラの唄』『愛燦燦』をメドレーで歌い、亜紀さんはドビュッシー『月の光』を弾き、大きな拍手を受けていました。

第二部はゲストのこころ音(マリンバ熊谷昇子さん&パーカッション布田恭子さん)の演奏です。フライパンや泡立て器など台所用品を打ち鳴らすオリジナル曲『キッチン・パーカッション』で賑やかに登場、お客さんは意表を突かれて大喜びでした。
その後、一台のマリンバを2人で演奏するファリャ『火祭りの踊り』、たくさんの小物打楽器が登場する『マンハッタン』など、耳でも目でも楽しめる曲の数々が演奏されました。
東日本大震災の被災地に赴いて演奏を届ける復興コンサート活動にも数多く参加しているお二人、現地の高齢者に喜ばれている歌として『青い山脈』と『お富さん』を演奏しました。お客さんにも歌と手拍子で参加していただき、広い会場が一体感に包まれました。
最後は、ピピピピ…と春を告げる鳥の声からはじまる美空ひばり『リンゴ追分』が演奏され、シャンシャンとなる鈴や温かみのあるマリンバの音にみなさんうっとりと聴きほれていました。

さあ、いよいよ第三部はみやぎの「花は咲く」合唱団の出番です。この日のために練習を重ねてきたのですから、心残りのないように歌えることを祈ります!
雪道での転倒による怪我で休んでいた団員のMさんも「本番に向けて自宅でずっと練習してました!」と今日は1か月半ぶりに参加しました。彼女の歌にかける情熱に他のメンバーは感動し、また、勇気づけられていました。客席では合唱団の卒業メンバーが手を振って声援を送っています。いろんな人の想いが詰まったコンサートになっているようでした。

春にちなんだおなじみの歌がたくさんちりばめられた、たかしまあきひこ編『春のメドレー』、卒業シーズンならではの『贈る言葉』、そしてジブリ映画の『君をのせて』を歌いました。澄んだ歌声が湧き出して、舞台から客席へ流れてゆき、会場を満たしました。

終演後、常連のお客さんから「なんかこれまでと違ってた」「今まででいちばん上手だった!」と絶賛の言葉を頂戴し、また、指揮の翠さんは「団員がリラックスして楽しんで歌っているなあと感心しました」と言い、伴奏の亜紀さんは「合唱団のほうから風が吹いてくるようだった」と言いました。合唱団のみなさんも興奮冷めやらぬ様子で、コンサートの余韻を語り合っていました。すてきな春の一日でした。

開催にあたり、ご出演の皆さん、ご来場の皆さん、そして宮城野区文化センターの皆さんに感謝申し上げます。どうもありがとうございました。