お知らせ
田子西「うたカフェ♪」_4月
- 2025.4.18
-
仙台市宮城野区にある復興公営住宅の田子西市営住宅では
町内会主催のサークル活動として、この住宅とその周辺にお住まいの方々の
交流の場「うたカフェ」を2014年10月から始めました。
昔なつかしい歌声喫茶にヒントを得て、みんなで歌を楽しもうという趣向です。
復興センターでは仙台オペラ協会と協働し、音楽リーダーをコーディネートしています。
(仙台市音楽の力による震災復興支援事業)新年度最初のうたカフェ開催です。今年度は2か月に1回おうかがいすることとなりました。集会所前の桜が散り始めていて、そよ風の中にそっと舞う花びらが風情を醸し出しています。気がつけば、この桜の木もだいぶ大きくなりました。時の流れを感じますね。
さて、今日も元気に歌っていきましょう!音楽リーダーを務めるのはいつものように仙台オペラ協会ソプラノ松本康子さんと岩瀬りゅう子さん、ピアノ富樫範子さんです。
今日は列車にちなんだ曲を特集するとのことで、ウォーミングアップも機関車の車輪連結棒の動きを真似して、腕や肩をぐるんぐるんと回しました。
続いて、『汽車ポッポ』『フニクリ・フニクラ』『鉄道唱歌』を歌いました。どれもおなじみの歌なので、みなさん伸び伸びと歌っています。
途中で松本さんと岩瀬さんが『汽車ポッポ』をすてきなアレンジの二重唱で披露しました。重なり合う華やかな声を推進力として、きらきらとした汽車がこちらへやってくるようでした。
『鉄道唱歌』は世にいくつもの替え歌があるそうで、岩瀬さんは、還暦を過ぎたシニア世代をポジティブに歌う『われら人生六十から』、梅干しの半生を描いた『うめぼしのうた』、野菜の名前を言葉遊びにした『やさいのマーチ』の3種を紹介しました。それぞれに楽しさがある歌で、みなさん面白がって歌っていました。
喫茶ひこのマスター西垣さんが淹れるコーヒーで一服した後、ミニコンサートとして、岩瀬さんは平原綾香『たいせつなあなたへ』を、松本さんは『スタンド・アローン』を披露しました。
岩瀬さんは「先日、高齢者施設に入った知人を訪ねたのですが、もう私の顔がわからない状態で…でも、しばらく歌っているうちに『あ、りゅう子先生!』と彼女が突然叫んだんです。歌声で記憶がよみがえったんですね。本当に音楽には力があるなあと実感しました」と語りました。
松本さんはこの春、社会人となった息子さんへ「これからは自分ひとりの足で立つように」と、万感の思いを込めて歌いました。歌の終わりに「さあ、飛んてゆきなさい」と言うかのように、両手を大きく広げる松本さんの慈愛に満ちた表情が印象的でした。
お二人のお話しと歌声に参加者のみなさんも励まされ、始まりの季節に勇気をもらった様子で、大きな拍手が沸きました。