お知らせ

【文化庁派遣事業】ますえの森へ

2014.2.4

*音楽の力による復興センター・東北は、平成25年度文化庁芸術家派遣事業〔東日本大震災復興支援対応〕の
音楽プログラムをコーディネートしています。

今日は、仙台市宮城野区にあるますえの森どうわほいくえんへ、杜の弦楽四重奏団のみなさんとうかがいました。ヴァイオリンは岡千春さんと門脇和泉さん、ヴィオラは齋藤恭太さん、チェロは塚野淳一さんです。
ますえ5ごく普通の一軒家のような保育園でのコンサートは、とてもアットホームなものとなりました。1列目で聴いていた子供達は、目の前で音の鳴る迫力にびっくりしたようでした。「ピチカート・ポルカ」は、4人の奏者全員が、指で弦を弾くピチカート奏法だけで演奏される曲。楽しげな始まりに、自然と子供達も手拍子をし始めました。すると、途中から急に大きくなったり、小さくなったり、速くなったり、ゆっくりになったり…。子供達も周りのお友達と顔を見合わせながら、テンポの変化に手拍子を合わせようと付いていきます。なんだか即興のセッションが始まったようで、みんな大盛り上がりでした。
今日は特別に質問コーナーがありました。ある男の子から「どうやって弾いているんですか?」が言いました。ヴァイオリンという楽器と弓を使って音が出ることはなんとなくわかったけれど、でも、どこをどうすると音が出てくるのか、見ているわけではわからなかったようです。すると岡さんが、男の子にヴァイオリンを載せました。「じゃあ、この弓で、弦の上を引っ張ってみようか」そおっと弓を引っ張ってみると…ちゃんとヴァイオリンの音が出ました!これには、男の子も、お友達も、先生たちもびっくり!ますえ2
別のお友達は、チェロの背中の部分に手を当ててみました。塚野さんがブオンとチェロを鳴らすと、当てていた手に振動が伝わって「ブルブルってした!」とその子は言いました。弦楽器の音の鳴る仕組みが分かってもらえたでしょうか?
また、保育園からのリクエストだった「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は、予想通りの大盛り上がり。子供たちと弦楽四重奏とで、最後は追いつけ追い越せのスピード競争のようでした。ますえ8

終わってからも、子供たちはよっぽど楽しかったようで、外遊びでも木の枝を構えてヴァイオリンを弾く真似をしたり、中にはおうちでヴァイオリンの絵を描いてお父さんお母さんにコンサートの話をした子もいたそうです。翌日、保育園に持ってきてくれたその絵はとてもよく観察して描かれていて、先生方は驚かされたそうです。
杜の弦楽四重奏団のみなさんも、この日はいつも以上に子供達からエネルギーをもらい、またエネルギーを吸い取られてしまったようで(?)、とても思い出に残る演奏会となりました。みんなが大きくなった時に、ヴァイオリンやヴィオラを覚えていてくれたら嬉しいです!また会いましょう。