お知らせ

「雄勝サロン復興コンサート」開催しました

2014.2.14

宮城県の北東、太平洋に面した雄勝地域は津波で壊滅的な被害を受け、多くの人が移住を余儀なくされました。宮城野区社会福祉協議会の支えあいセンターみやぎのでは、仙台市内へ移転してきた雄勝出身者の同郷サロンを定期的に開催しています。同じ土地の人どうしにしかできない話があり、彼らは互いの言葉に耳を傾け、語り合い、支えあって辛い時期を乗り越えてきたのです。 IMG_0122s
 IMG_0067s 今日はその「雄勝サロン」にお伺いしました。出演はヴァイオリン岡千春さん、ピアノ小川菜摘さん、ソプラノ齋藤翠さんのアンサンブルです。 会場の宮城野区中央市民センター音楽室にはおよそ30名の方が集まりました。 コンサートは声楽、ヴァイオリン、ピアノのアンサンブルとそれぞれのソロもたっぷり楽しめるプログラムでした。IMG_0139s
ヴェルディの「乾杯の歌」を歌う翠さんの声量にみなさん圧倒された様子です。「早春賦」「朧月夜」などの日本の唱歌はしみじみと心に染み入るようで、多くの方が口ずさんでいました。
ショパン「ノクターン」のピアノの調べにはどの方もうっとりと聞き惚れていました。
また、「チャルダッシュ」のヴァイオリンの妙技には大きな拍手が沸きました。宮城県出身の作曲家、岡崎光治の「アリとハチと」は、昔話の味わいとダジャレが合わさったゆかいな小品でした。 そしてラスト、プッチーニの「誰も寝てはならぬ」が終わった瞬間、客席から「ブラヴォー!」の声と大喝采が上がりました。

岡さんが「ひまわり」という曲を演奏するときに言いました。 IMG_0225s
「この曲は震災の時に放映されていたNHKの朝のドラマのテーマ曲です。震災から1週間経ってテレビが見られるようになり、この曲が聞こえてきたとき、”ああ音楽って本当にいいなあ”と思いました。もう演奏できないと思っていたけれど、また音楽をやってみようという気になりました。もうすぐ3年目となりますが、今日はこの思い出の曲を弾こうと思います」
その言葉にそれぞれ思い出すことがあったのでしょう、深々とうなづく方が多くありました。

IMG_20140214_150740 IMG_20140214_150812終演後は、演奏者もお茶のみ会に参加しました。演奏の感想のほか、震災の時のこと、この3年をどう過ごして来たかなど、いろいろな話が交わされました。
帰りしな、「お父さんによろしくね!」と齋藤翠さんに言う方がいました。翠さんも宮城県沿岸部鳴瀬地区のご出身で、なんとお父様と知り合いだったそうです。これも地元ならではの光景ですね。いつも以上に和気あいあいの雄勝復興コンサートでした。