今日は、宮城県亘理町にあるいちょうの実幼稚園に伺いました。出演は、フルート櫻井希さん、クラリネット叶光徳さん、ピアノ渡邊梨絵さんです。
いちょうの実幼稚園には、2013年7月にも伺いました。今回は、もう間もなく卒園または進級となる子供達に「おめでとう、よくがんばったね」の気持ちを込めた贈り物として、そして、震災以降、お母さんやお父さんをはじめたくさんの方からご支援をいただいたことへの感謝を込めて「ありがとうコンサート」と名付けられました。子供たちが作ってくれた鳥やタンポポの飾りで、ステージが飾られていました。
三重奏によるゆったりと優しい「愛の挨拶」が始まると、みんなそわそわと嬉しそうでなかなか静まらない様子。「あれ？聴いてないのかな…」と心配だったのですが、櫻井希さんのフルートソロで「ハンガリー舞曲」が始まると、ある男の子が立ち上がって指揮者の真似をし始めました。他の子も踊りだしました。
そして、一音ずつ、ピアニッシモからフォルテに急激にクレッシェンドがかかるところで、子供たちがみんなで大笑い。その笑うタイミングがぴったり音楽と合っていて、みんながちゃんと音楽を聴いている証拠なのだとわかりました。 この曲でこんな反応が出てきたことは初めてで、演奏者もびっくりしていました。 
 リクエストをいただいていた「手のひらをたいように」では、音楽が始まるとそれまでのお喋りはピタッと止まり、全員が元気よく手話付きで歌い始めました。続く「Believe」も、練習してそれほど時間は経っていないのだそうですが、みんなとても上手です。どこからそんなに元気が湧いてくるのかしらと思うほど、元気いっぱいな子供達でした。

子供達とさよならした後、小さな第2部を設けました。
これは「日頃音楽を聴く機会がないお母さん方のために1曲でよいのでお願いします」という先生のリクエストによるものです。
しっとりとした「G線上のアリア」の調べにお母さん方はじっと聴き入っていました。膝の上の小さな子たちもとても静かに聴いていました。 思いがけないアンコールもいただき「愛の挨拶」をもう一度。本当に短いひとときでしたが、心の潤いになれば幸いです。
亘理町は海沿いに南北に延びています。津波被害の大きかった荒浜地区や浜吉田からも通ってきている子がいるそうです。仮設住宅も数多くあり、のびのびと遊べない環境にある子もいるようです。少しでも早く、みんなが自分のお家から元気に通える日が来ますように。どうかお元気で、また会いましょうね。