お知らせ
TSUNAMIヴァイオリン「小松島こどもの家」へ
- 2014.2.20
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岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」の木片を“魂柱”にして作られた「TSUNAMIヴァイオリン」。その他の部材にも、陸前高田で津波に流された松の木や家々の柱などの木が使われています。このヴァイオリンを千人のヴァイオリニストに弾いてもらい、その音色に被災地への想いを寄せようという「千の音色でつなぐ絆プロジェクト」との共催で、今日は仙台市青葉区にある「小松島こどもの家」に伺いました。
絆プロジェクトを主宰する「命をつなぐ木魂の会」事務局の大庭泰三さんは、以前、ここで暮らす子どもたちにこのヴァイオリンのお話しをしに来たことがあり、子どもたちは「いつかぜひ聴いてみたい」と、この日を楽しみに待っていたそうです。
今日は始めに大庭さんからこのヴァイオリンについての映像の上映とお話しがありました。
続いてヴァイオリン奏者の島田真千子さん、ピアニストの草 冬香さんが登場しました。草さんは、生まれてから3歳頃まで仙台に住んでいたそうです。「まだ小さかったので覚えていることはあまりないのですが…」とのことですが、子どもたちにもなんとなく親近感が湧いたようでした。
コンサートはエルガー「愛の挨拶」から始まり、待ち遠しい春を思って、ヴァイオリンソナタの名曲であるベート-ヴェン「ヴァイオリンソナタ第5番『春』」から第1楽章、その後は「浜辺の歌」「千の風になって」となじみのある曲が続きました。
島田さんは「このヴァイオリンを弾き継いでいくことで、東北の風景や思い出が音色となって、聴いてくださるみなさんの心にも届くようにと思っています」と語りました。
最後に、ヴァイオリンといえばこの曲、とも言えるサラサーテの「チゴイネルワイゼン」が大迫力で演奏されました。ヴァイオリンとピアノだけでこんなに情熱的に音楽の世界が広がることを改めて実感させてくれる演奏でした。
終演後、小さな子供たちから花束が渡されると、島田さんと草さんは席の間を歩いて一人ひとりと握手を交わしました。中には「楽器の裏に描かれた一本松の絵を見せて」という子もいました。
彼らがいつか大人になった時に今日のことを思い出してくれるといいな、と思いました。